くらし情報『【レビュー】香港アクション映画のプライドをつなぐ、『レイジング・ファイア』の魅力に酔う』

2021年12月24日 16:30

【レビュー】香港アクション映画のプライドをつなぐ、『レイジング・ファイア』の魅力に酔う

今の香港映画の精一杯を攻めたベニー・チャン

映画の製作本数が減っているうえ、中国との合作が増え、かつての「らしい」アクション映画の根が絶えたように見えた香港。中国市場に活路を見いだし、軸足を移した監督も多い中、香港映画らしさを失わないアクションを撮り続けたのがベニー・チャンだ。久しぶりに登場した「らしい」香港映画『レイジング・ファイア』に中国の観客も歓喜。興行収入約13.3億元(約240億円)をたたき出す大ヒットを記録した。

【レビュー】香港アクション映画のプライドをつなぐ、『レイジング・ファイア』の魅力に酔う

「らしい」と敢えて書いたのは、そこにはやはり、中国と合作することで生じる制約と、潤沢な資金やCG技術によってもたらされた変様を感じるから。市街地での激しい銃撃戦は特別に作ったセットで撮影された。セットゆえに可能だった苛烈な銃撃戦と爆破の威力はインパクト十分で、ビジュアルは最高。ドニーとニコラスの熱い闘いに高揚して映画館を出れば、冬の帰り道もホックホクなのは保証する。
だけど、そこで描かれた混沌は計算され尽くしたものであり、リアルな人の“匂い”が足りないと感じてしまう。それは近年の中国映画が物足りないのと同じ理由であり、ここが中国を無視できない今の香港アクション映画の精一杯なのかもしれない。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.