『スイートリトルライズ』矢崎監督インタビュー「映画は理解するのではなく感じる物」
(Photo:cinemacafe.net)
空気感のある映画──とても曖昧な表現に捉えられるかもしれないが、『スイートリトルライズ』という映画にはそんな“空気感”という言葉がよく似合う。ある1組の夫婦の物語、危険なラブストーリーなど、どんな作品であるかを簡単に説明することはできる。けれど、空気感のある映画という表現にはかなわないような…。なぜ空気感なのか?という答えは、矢崎仁司監督の映画監督としての佇まいのなかに隠されていた。
「僕自身が好きな映画は夫婦の話が多いんです。だから、いつか自分も夫婦の話を撮ってみたいなと思っていて。江國香織さんの原作を読んだとき、いいチャンスだなと思いました。原作の登場人物を生身の人で動かしてみたいかどうか、それが自分にとって映画化したいかどうかの決め手でもあって、この原作を読んだときにそう思えたんです」。
監督がずっと描きたかった夫婦の映画は、江國香織の原作との出会いで実現したというわけだ。だが、この物語に登場する瑠璃子と聡の夫婦を“少し変わっている”と感じる人も多いはず。
中谷美紀、大森南朋に会って感じたこと
テディベア作家の妻・瑠璃子、IT企業に勤める夫・聡。