『台北に舞う雪』チェン・ボーリン インタビュー「“過去”の自分を発見した映画」
(Photo:cinemacafe.net)
8年前、高校生の淡い初恋を描いた『藍色夏恋』で鮮烈なデビューを飾って以来、国境を越えてここ日本でも『暗いところで待ち合わせ』や『シュガー&スパイス〜風味絶佳〜』など数々の作品に出演し、その人懐っこい魅力で幅広い人気を集めるチェン・ボーリン。日本では4年ぶりの最新主演作となる、中・日・香港・台湾の合作映画『台北に舞う雪』を引っさげ来日した彼に、話を聞いた。
本作のメガホンを取るのは、『山の郵便配達』、『故郷の香り』など、情緒あふれる中国の景色を繊細に描いてきた中国の名匠フォ・ジェンチイ。本作で、どこかファンタジーの空気漂う、台湾の美しい渓谷の町、青桐(チントン)を舞台に選び、ここで出会う男女の儚い恋愛を描きあげた。その中でチェン・ボーリンが演じるのは、この町で生き別れとなった母親をずっと待ちながら、町中の雑用に明け暮れる青年・モウ。心優しき彼のことを「若い頃の監督の姿では?」と話すが、自身はどのようなイメージのもとで演じたのか?
「いまの若い人は、男の子でもおしゃれに気を遣ったり髪の毛を気にしたりするのが普通ですが、今回演じたモウは髪型も着るものもこだわらないような、シンプルで素朴な青年。