くらし情報『稽古場からスクリーンへ~ナショナル・シアター・ライブ『ロミオとジュリエット』』

2022年2月7日 17:00

稽古場からスクリーンへ~ナショナル・シアター・ライブ『ロミオとジュリエット』

役者たちは皆現代の服装で、コの字型に椅子を並べて座り、ロレンス修道士役のルシアン・ムサマティが読み合わせの延長のようなさらりとした様子で有名なプロローグを暗唱するところに耳をすませる。既にこのプロローグで、ロミオ役のジョシュ・オコナーとジュリエット役のジェシー・バックリーは微笑みを交わしている。芝居の序盤はこのように簡素なセットで進んでいくが、雰囲気が変わるのは、ロミオとジュリエットが出会うキャピュレット家のパーティの場面だ。ここは若者たちが、それまでのセットとは違うスモークが焚かれたクラブのような会場に入るところから始まり、マイクの前で歌い踊るジュリエットにロミオが一目惚れする。この一目惚れの場面には妙にリアリティがあり、新型コロナウイルスが流行する前の混雑したクラブやライヴ会場でならふつうに起こりそうな状況に見える。

稽古場からスクリーンへ~ナショナル・シアター・ライブ『ロミオとジュリエット』

ここからはもう少し手の込んだセットを使って映像作品らしくなり、結婚式の場面ではライヴの舞台ならすぐに準備できないほどの数のキャンドルに囲まれた中でロミオとジュリエットが微笑みを交わしながらキスをする。さらにここにロミオの友達であるベンヴォーリオ(シュバム・サラフ)とマキューシオ(フィサヨ・アキネイド)

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