くらし情報『【インタビュー】『ドライブ・マイ・カー』字幕翻訳・礒崎美亜、映画の世界に没入させる英語字幕ができるまで』

2022年3月26日 11:00

【インタビュー】『ドライブ・マイ・カー』字幕翻訳・礒崎美亜、映画の世界に没入させる英語字幕ができるまで

古い作品なので、現代語とは少し違う感じになるようにも心がけましたね。

「ゴドーを待ちながら」は、オリジナルがフランス語で、劇作家の(サミュエル・)ベケット本人が英訳しているんです。その権利がまだ切れていなくて、許可をとった上で使用しているので、元の英訳をカットしないよう頑張って字幕に入れ込みました。

【インタビュー】『ドライブ・マイ・カー』字幕翻訳・礒崎美亜、映画の世界に没入させる英語字幕ができるまで

――人間の心理に迫る、意味を含んだセリフが多いですよね。翻訳は難しかったのでは?

こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、面白い映画って、訳していて面白いんですよ。後出しジャンケンみたいな言い方ですけど、この作品は最初に見た時から、「すごいな」「いいな」と思ったので、翻訳は面白くて、そんなに苦労してないというか……(笑)。

当然、私が見て分からない映画は訳せません。だけどこの映画は心にすごく響いたので、「こういうことが言いたいんだな」「こういう英語にすればいいんだな」という感覚が、たまたま当たったという感じです。


――私も字幕翻訳をすることがあるのですが、脚本に破綻があると訳しづらいと感じます。優れた脚本は訳しやすい、と言えるのかも……。

そうですね。脚本が詰められていないと意味が分からなくて苦労します。

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