2022年5月13日 07:45
【インタビュー】広瀬すず&松坂桃李、キャリア史上最難関の“役”に挑み辿り着いた答えとは
広瀬:『怒り』のときは、登場人物も多いし東京・千葉・沖縄の3つの舞台で物語が進行するぶん、李さんも映画3本を同時に撮っているような状態で相当大変だったと思います。
私自身のことでいうと、『流浪の月』に入る前、初めて立ち止まるというか…敏感じゃなくなっていた時期でした。繊細な何かを感じ取れなくなってしまって、しかもその状態が続いていたんです。クランクイン前に李さんに「どうしたらいいかわからない」と相談するところから始まりました。そういった意味で、『怒り』のときとはお互いに変化がありましたね。
――松坂さんは、初めての“李組”はいかがでしたか?
松坂:李さんはリハーサルを何度も重ねたり、キャスト同士でコミュニケーションする時間を取ってくれたり、コーヒーを淹れる練習も「実際にお店で練習してみたら」とか、役作りで「撮影場所に寝泊まりしてみたら?」とアドバイスしてくれたり、とにかく芝居にとことん向き合わせてくれるんです。すごくフラットに「役として生きるためならやればいい」と言ってくれるというか、いままで僕があまり経験したことのない温度感の現場だったので新鮮であり、嬉しかったですね。
――李監督は現場でとにかく悩み抜く、というお話も伺いましたが、おふたりの目にはどう映りましたか?
松坂:悩んでいるのか、或いは待っているのか…。