韓国から誕生したやんちゃな鬼才 『息もできない』ヤン・イクチュン監督インタビュー
(Photo:cinemacafe.net)
ポン・ジュノ、キム・ギドクなど鬼才と称される、類まれなる才能を多く輩出している韓国映画界からまた、才能あふれる監督が誕生し、世界で喝采を浴びている。これまで国内インディペンデント映画を中心に、俳優として活躍してきたヤン・イクチュン。「すべてを吐き出したかった」という理由で、初長編監督作『息もできない』で製作から主演まで1人5役をこなしてみせた。一体、その“すべて”にはどんな想いがあったのか?話を聞いた。
本作の主人公は、かつて家庭内暴力をふるっていた父親に憎しみを抱いてきた取立て屋のサンフン(ヤン・イクチュン)と、母親を失い心の傷を抱える女子高生・ヨニ。“家族”のしがらみの中で生きる2人の魂の求め合いが描かれる。「いまから私が答えることは、私自身この映画を観て、理解したことが大部分だと思います」と前置きし、監督は本作を通じて描いた“家族”について語る。
「自分の家族に対する悩みというのは“暴力”なのですが、家庭の中でなぜ一人が殴り、一人が殴られてという関係があるのか、子供の私には理解できなかったですし、それは夫婦の問題にとどまらず、家族全体にも影響を及ぼしますよね。