桐谷健太×近藤洋一インタビュー 「そっくりなベーシストが出てくるマンガがあるよ」
と茶目っ気を見せるが、その笑顔の向こうにあるのは「幼稚園の頃から、いつか自分も四角いスクリーンの中に入るんだって思っていて。そこからブレたことは一度もないんです」という揺るぎない役者魂。彼のその熱い想いがキャスティングにつながった。
そんな桐谷さんのコメントに終始うなずく近藤さん。サンボマスターのベースとして音楽畑の第一線で活躍する彼にとって、加藤役のオファーは「高校3年間野球部で頑張ってきたのに、大学からサッカーで誘いがきたようなものですよね(笑)」。驚きの出来事ではあったが、音楽という夢を抱き日々葛藤する主人公たちの生き方は、まさに近藤さん自身が歩んできた道。「種田ほどナイーブではなかったけれど、彼のバンドに懸ける想いは共感できる。音楽に夢を持っているのは大いに共感できますね」と自らの過去をふり返る。
「僕も(種田と同じで)大学を卒業して、バイトをしながらバンドを続けていました。ライヴハウスでライヴをやっても1曲目はお客さんはゼロ、2曲目から1人2人…みたいな状況で(苦笑)。それって普通ならへこみますよね。でも、僕はそれを挫折だと思ったことは一度もない。人気がないとか、デビューのきっかけがつかめない、というのは挫折ではなかったんです」。