「香港映画祭2022」日本初公開19作品上陸!全国5都市で開催
昨年、全国5都市で初開催され、日本ではなかなか観る機会のない貴重な日本初上映作品をラインアップし、大盛況となった「香港映画祭2021」。今回、香港映画ファン待望の「香港映画祭2022」が日本初上映19作品(短編を含む)で開催されることになった。
2022年は、映画『男たち挽歌4Kリマスター版』、ウォン・カーウァイ監督のリマスター作品『WKW4Kウォン・カーワイ4K』、カンヌ国際映画祭でサプライズ上映された『時代革命』、香港が誇る七人の監督による『七人樂隊』、デビュー作で台湾アカデミー賞を席捲した『少年たちの時代革命』、山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞を受賞した『理大囲城』、「Making Waves - Navigators of Hong Kong Cinema香港映画の新しい力」開催など、新旧多くの香港映画が公開され話題を呼んでいる。
香港映画に沸いた2022年の総決算、インディペンデント映画から海外映画祭を席捲した大ヒット映画までラインアップ
昨年は日本未公開の香港映画7作品を、全国5大都市のミニシアターにて巡回上映。「香港映画祭2022」は、新人監督の作品から、トップスターが出演する作品まで幅広いラインアップ。香港トップスター故アニタ・ムイの伝記映画『アニタ』で香港アカデミー賞(香港電影金像奨)最優秀女優助演賞を受賞したフィッシュ・リュウが出演する『風景』、ジャッキー・チェン映画でもお馴染みの名バイプレーヤーのタイポー(太保)が優秀男優賞受賞した『ソク・ソク』(原題:叔・叔)。
90年代を代表するロレッタ・リー(李麗珍)の久しぶりのカムバック作であり、香港映画を代表するフランシス・ン(呉鎮宇)が主演する、実際の事件をベースにした『香港の流れ者たち』(原題:濁水漂流)。
また、デビュー作の映画『少年たちの時代革命』(12月よりポレポレ東中野にて公開)で台湾アカデミー賞を席捲したレックス・レン監督とラム・サム監督の短編集、注目新人女性監督特集も上映される。
「今の日本はおそらく世界中で一番香港映画を観ることができる国」
映画監督で本映画祭のキュレーターであるリム・カーワイは、「そもそも香港映画祭がはじめたのは、香港の社会と政治の変化を反映した香港映画が多く制作されているのにも関わらず、日本の映画祭や配給興行の傾向と合わず、日本に紹介されない作品が多くあったことが、大きな理由であった」と明かしつつ、「そうした香港映画の多様性と魅力をもっと沢山の日本の映画ファンに届けたいという思いから、本映画祭ははじまった。今年も同じ趣旨で開催するつもりだったが、1年経たないうちに日本における香港映画の受容状況に変化があることに気付いた」と語る。
「エンタテイメント映画、インディペンデント映画、香港では上映禁止となった映画、黄金期の香港映画など、多くの香港映画が日本では次々と劇場公開されており、リバイバル上映、特集上映なども大変賑わっている。映画祭や特集上映や配信を含め、今の日本はおそらく世界中で一番香港映画を観ることができる国となっている。この映画鑑賞状況は、実に健全で素晴らしいことだ。それでも日本で紹介されていない素晴らしい香港映画がまだ数多くあるはずだと思い、作品選考、配給会社や監督たちとの交渉を重ねた結果、短篇映画を含め、昨年よりも多くの未公開作品(なんと19本!)を本年の映画祭で上映することが決まった」。
さらに、「今回上映される映画の主人公たちは、今まで日本で紹介されたインディペンデント映画や商業映画でも、あまり主役になったことがないキャラクターと彼らの物語になっている。例えば移民、年寄りのゲイ、差別を受けた女性、ホームレス、アンダーグラウンドの芸術家たち、社会運動に参加する人、デモで逮捕された人など…。
こうした社会的マイノリティな人々に視線を向けた映画監督の多くは、若手の新人監督たちだ。『香港映画祭2022』を通じて、未知の才能を発見すると共に、香港映画の裾野の広さを知ることになるだろう。またこれらの作品から、香港国家安全維持法やコロナ禍などがもたらした変化が、むしろ香港映画の可能性と豊かさをより広げたのではないかと感じて頂けたら幸いです」とコメントを寄せている。
「香港映画祭2022」は11月26日(土)より全国5都市にて順次開催。
(text:cinemacafe.net)