『書道ガールズ!!』桜庭ななみインタビュー 「何かを与えられる女優になりたい」
(Photo:cinemacafe.net)
「元日の朝に、マネージャーさんから電話がかかってきて。てっきり“あけましておめでとう”と言ってくれるのかと思ったら、『いますぐ日本テレビを見て!』って(笑)。寝ぼけながらテレビをつけたら、“書道ガールズ”のドキュメンタリーが放送されていたんです。
そのときに初めて書道パフォーマンスを見ましたが、こういう書道もあるんだな、と驚きました。だって、書道は集中して静かに書くものだと思っていたのに、ミニスカートやかわいい衣裳でダンスを踊ったり、黒い紙に白い文字を書いたり…、書道に対する印象がすっかり変わりました」。
4月に高校3年生になったばかりという桜庭さんに、同世代として彼女たちの物語をどう思ったか聞いてみたところ「同じ高校生として、町おこしをして全国規模のメディアからも注目されるイベントにしてしまった書道部員たちのアイディアと行動力に尊敬の念を抱きます。私が普通に学校に行っていたら、きっと考えもつかなかったと思う。このお話を知って“もしかしたら私にもできるかも”という力を与えてもらいました」と、強い眼差しで答えてくれた。
桜庭さん演じる香奈は、書道部の副部長。書道を愛しているが才能はパッとしない。しかし、実力はあるがドライなほど個人主義の部長・里子(成海璃子)に代わり、部を実質的にとりまとめている世話好きのムードメーカーという役回り。
本作には心や家族、人間関係に問題を抱える人物が多いが、香奈は唯一外向きな性格と言える。香奈がいたからこそ、部員たちの心はひとつになり、同じ目標に向かって進んでいくことができたのではないだろうか。「香奈と私の共通点は2つ。まず、長所として“何事も全力で取り組む”ところ。そして短所として“何も考えずに進んで失敗する”ところです」。
お母さんのごとく部員たちの世話を焼く香奈だが「お母さんと言えば、一番年上の高畑充希ちゃんです。最年少の藤子ちゃんのフォローをして “お母さん”と呼ばれていました。リオちゃんは、最初はとっつきにくいかと思っていたのですが、話してみると面白い人。
みんな、仲が良すぎてその雰囲気のまま現場に入ってしまうので、よく璃子ちゃんに注意されました」と共演者たちとの楽しかった思い出を語ってくれた桜庭さん。山下さんも成海さんを「本当の部長のように現場を引き締めてくれた」と述べていたが、成海さんの印象とは?
「仕事に対してはすごく真面目です。仕事が終わると、いきなり変顔をしたりする天然な人(笑)。璃子ちゃんとは同級生なのですが、仕事への真摯な態度は“見習わなければ”と思いました」と、その姿勢に一目置いていた様子。
そんな成海さんのひと言から、女優という仕事について考えたことがあるという。
「璃子ちゃんが、ある作品を観たときに『立ち上がれないくらい感動した』と言っていたんです。それを聞いて、人に感動を与えられる女優というお仕事はスゴイと、改めて感じました。お客さんはわざわざ劇場に足を運んでくれる。
そして、帰るときには必ず何かしら考えてくれている。私も観てくれた方に、何かを与えられる女優になりたいと思っています」。
デビュー3年目を迎え、女優としてますます注目されている桜庭ななみ。17歳の彼女だからこそ、その役をリアルに感じリアルに演じられた。仲間と成し遂げる青春の素晴らしさにしばし浸りたい。
(text:Yukari Sakamoto)
■関連作品:
書道ガールズ!!−わたしたちの甲子園− 2010年5月15日より新宿バルト9ほか全国にて公開
© NTV
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