【カンヌレポート 05】パルムドールのゆくえ…現地評価&T・バートンの選択は?
(Photo:cinemacafe.net)
これに続くのが、タイのアピチャットポン・ウィーラセタクンが輪廻転生を独自のスタイルで描く『Uncle Boonmee Recalls His Past Lives』(原題)も、そのあまりにぶっ飛んだ表現に否定的な意見もあるものの評価が高い。また、昨年審査員を務めた韓国のイ・チャンドン(『シークレット・サンシャイン』)の『Poetry』(原題)も、60代女性の魂の彷徨を描き、パルム候補のひとつ。さらに、フランスのラシッド・ブシャレブの『Outside The Law』(原題)もアルジェリア独立運動を扱い論争を巻き起こしているが、力強い1本。
映像の美しさ、演技、そしてテーマ性の高さからいって、この中では『Of Gods and Men』がもっともパルムドールにふさわしいと思えるが、果たしてティム・バートン以下審査員団のジャッジはいかに?
日本の北野武監督の『アウトレイジ』はスクリーン誌が4点中0.9点という厳しい点数の一方、カイエ・デュ・シネマ誌などは高く評価。意外とカンヌはこうした極端な映画に賞を与える傾向があるので、パルムは難しくとも、監督賞あたりをさらう可能性は捨てきれない。
今年は死を描く映画が多すぎたため、個人的にはマチュー・アマルリックが監督、主演したバーレスク・ショーの舞台裏を描く『On Tour』(原題)のような、生命力あふれる映画に光をあてたい。
結果発表は23日夜。
(photo/text:Ayako Ishizu)
第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート
http://www.cinemacafe.net/fes/cannes2010/
■関連作品:
第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕
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