【カンヌレポート 05】パルムドールのゆくえ…現地評価&T・バートンの選択は?
(Photo:cinemacafe.net)
カンヌ映画祭も残すところあと3日。こちらでの評価を総合すると、最高賞パルムドールに一番近いところにいると思われるのが、イギリスのマイク・リー(『秘密と嘘』でパルムドール受賞経験あり)が中高年シングルの悲喜劇をつづる『Another Year』(原題)と、地元フランスの監督兼俳優グザビエ・ブーヴォワによるアルジェリアの修道士殺害事件に基づく美しくも悲しいドラマ『Of Gods and Men』(原題)。
これに続くのが、タイのアピチャットポン・ウィーラセタクンが輪廻転生を独自のスタイルで描く『Uncle Boonmee Recalls His Past Lives』(原題)も、そのあまりにぶっ飛んだ表現に否定的な意見もあるものの評価が高い。また、昨年審査員を務めた韓国のイ・チャンドン(『シークレット・サンシャイン』)の『Poetry』(原題)も、60代女性の魂の彷徨を描き、パルム候補のひとつ。さらに、フランスのラシッド・ブシャレブの『Outside The Law』(原題)もアルジェリア独立運動を扱い論争を巻き起こしているが、力強い1本。
映像の美しさ、演技、そしてテーマ性の高さからいって、この中では『Of Gods and Men』がもっともパルムドールにふさわしいと思えるが、果たしてティム・バートン以下審査員団のジャッジはいかに?
日本の北野武監督の『アウトレイジ』はスクリーン誌が4点中0.9点という厳しい点数の一方、カイエ・デュ・シネマ誌などは高く評価。