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【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙! 最高賞はタイ作品

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【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙! 最高賞はタイ作品

(Photo:cinemacafe.net)

23日夜、第63回カンヌ国際映画祭の授賞式が行われ、タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives(前世を思い出せるブンミおじさん)』が最高賞パルムドールに輝いた。映画は、病気で死期を悟ったブンミおじさんの元を、死んだ妻や、猿人間になった息子が訪れたり、ナマズがしゃべったりと独特の表現で輪廻転生を描いた、スピリチュアルな作品。監督は「受賞は、タイの精霊と幽霊、そして30年前に小さな映画館に連れていってくれた両親のおかげ」と語った。

審査委員長ティム・バートンは「いままでに観たことがない映画で、驚いた」と語り、審査員の一人、ベニチオ・デル・トロは「カンヌでは毎日、映画を何本も観て、パーティをはしごしていたので、この映画を観たときは、ちょっと申し訳ない気分になったよ」と感想を述べた。

日本の北野武監督の『アウトレイジ』は受賞を逃し、また、下馬評で一番人気だった英国のマイク・リーの『Another Year』も無冠に終わった。

サプライズは、男優賞がスペインのハビエル・バルデムと、イタリアのエリオ・ジェルマーノの同時受賞となったこと。バルデムは授賞式で「最愛のパートナー、ペネロペ・クルスに捧げます」と会場にいた恋人ペネロペ・クルスに投げキッス。ペネロペは涙を流し、隣にいたバルデムの母親と手を取り合う姿が印象的だった。


また、セクシーで生命感あふれる『On Tour』で、監督賞を受賞した『007/慰めの報酬』などの人気俳優マチュー・アマルリックは、共演のバーレスク・ダンサーたちを壇上にあげて、感謝の意を示していた。また、監督賞に輝いたことについて「僕が助監督など裏方で勉強していたことを知っている審査員もいたのでしょう。感謝します」と語った。

以下、主な受賞結果。

パルムドール
『Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives』
(アピチャッポン・ウィーラセタクン監督)

グランプリ
『Of Gods and Men』(グザヴィエ・ボーヴォワ監督)

監督賞
マチュー・アマルリック(『On Tour』)

男優賞
ハビエル・バルデム(『Biutiful』)
エリオ・ジェルマーノ(『Our Life』)

女優賞
ジュリエット・ビノシュ(『Certified Copy』)

脚本賞
イ・チャンドン(『Poetry』)

審査員賞
マハマット・サレー・ハルーン(『A Screaming Man』)

カメラドール(新人賞)
『ANO BISIESTO』(原題/マイケル・ロウ監督)

(photo/text:Ayako Ishizu)

第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート
http://www.cinemacafe.net/fes/cannes2010/

■関連作品:
第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕
© Brigitte Lacombe – ad design graphiqueアウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開
© 2010『アウトレイジ』製作委員会

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