チョン・イル『高速道路家族』の“父”を熱演「ささやかなこと、小さなことに幸せを見いだせるようになった」
高速道路のサービスエリアを転々とするホームレス一家と、そんな彼らを放っておけない中古家具店オーナーが出会い始まる物語『高速道路家族』。
人間の不安や心の動きを、温かな眼差しで、繊細に描いた新鋭イ・サンムン監督による本作で、かつて人に傷つけられたことで、放浪しながら暮らす父ギウ役を好演したのはチョン・イル。初日舞台挨拶のため来日した彼に、本作への思いを聞いたオフィシャルインタビューの全文をシネマカフェ独占で入手した。

――『高速道路家族』では、傷ついた心とどう向き合うかを描いていましたが、イルさんなら、ギウにどんな声をかけてあげたいですか?
チョン・イルギウを見ていると本当に残念だ、不憫だなと思います。きっと誰かが手を差し伸べていたら、ギウの人生が変わっていたんじゃないかなと。だから僕は、手を差し伸べてあげたい、手を握ってあげたいです。
――これまでの役のイメージを覆すギウを演じるために、いちばん意識した点は?
チョン・イルギウという役自体がとても難しい役だったので、当初とても心配もしていました。というのも、感情的な演技がうまくできなければ僕の演技力が足りないと言われるのではないか、と思ったので慎重にもなりました。