2023年5月19日 13:05
『万引き家族』『ベイビー・ブローカー』に続きクリーニング屋が登場する理由が明らかに 『怪物』カンヌ公式会見
私にはトラックで、車椅子の方が見えなかったのですが、私はクラクションを鳴らしてしまった。
そのことをずっと後悔していて、私たちには生きている上で、見えていないものがある、それを理解していく上ではどうすればいいのか、そんなことを物語にしたいと常々思っていました。
Q:脚本について坂元さんとどのように作りあげたか。
是枝:これまでに三度ほど、公式の場で対談をさせていただいていて、その都度私の方から、自分の映画で、自分で脚本を書かないなら、坂元さんにお願いしたい、というラブコールはずっと送っていたのです。アウトプットされた作品に関して言うと、僕は主には映画をつくっていましたし、坂元さんはテレビのドラマを作られているので、違うフィールドのように見えたかもしれませんが、同時代に生きながら、ネグレクトの問題であったり、犯罪の加害者家族の物語だったり、疑似家族のモチーフだったり、時代とともに彼が注視しているトピックというものと、僕が自分の中で引っかかっていて題材として映画にしていたものというのは、時期は多少ずれるのですけど、凄くリンクしていました。
なので、同じ時代の空気を吸っている方だ、という認識がありました。