2023年5月19日 18:00
驚いたり泣いたり…人間のような感情表現に注目『マルセル 靴をはいた小さな貝』
さらに、いまにも泣き出しそうな表情をしたマルセルの写真からは、何やら葛藤を抱えていることも読み取れる。本作のキャッチコピー“貝だって人生は、ままならない――”に通ずる、主人公・マルセルの紆余曲折な人生を想像させる場面写真となっている。
さらに、マルセルを発見した映像作家・ディーン役を務め、さらに本作の監督・脚本も手掛けたディーン・フライシャー・キャンプが、本作を製作したきっかけを教えてくれた。
「(マルセルの声を務めた)ジェニー(・スレイト)が家事をしながらつくり出した声を基に、僕は第1作目の短編映画『Marcel the Shell with Shoes On』を2日足らずで完成させました。ただお互いを笑わせるのが楽しくて、ふたりで脚本を書き、アドリブを加え、僕は企画・監督・アニメ制作・編集を行いました。そして友人が開催したコメディーショーに集まった数十人の観客の前だけで作品を上映するつもりでした。でもその後、知人から足首を骨折して床に伏せっている祖母に観せてあげたいので、インターネットに作品を上げてほしいと頼まれたのです。公開後に大きな反響があり、ジェニーと僕のもとには何百通というファンレターやイラスト、ハロウィンの衣装やタトゥーの写真までもが届きました」