ヴェネチアで主演男優賞を獲ったイタリアの名優が語る“家族”
(Photo:cinemacafe.net)
食にファッションにサッカーと、様々な文化で我々を魅了するイタリアから、家族のあり方を問いかけつつ、温かい感動をもたらしてくれる映画が到着した。現代イタリアを代表する監督のひとり、プーピ・アヴァーティが故郷のボローニャを舞台に、ある家族の姿を描いた『ボローニャの夕暮れ』。すっかりゴールデンウィークの風物詩となったイタリア映画祭で昨年上映され、大きな反響を呼んだ本作がついに劇場公開となる。本作でヴェネチア国際映画祭の主演男優賞を受賞した、イタリアでは知らぬもののいない名優シルヴィオ・オルランドが作品への思いやイタリアの家族について語ってくれた。
物語で描かれる時代は1930年代から50年代。父と母と娘の3人が、互いにわだかまりを持ちつつも取り繕い、つつましくも幸せに暮らしていた。だが、ある殺人事件と忍び寄る戦火をきっかけに、平穏に見えた生活が少しずつほころびを見せていく。最初にこの物語に触れたときの印象を尋ねると「力強く、そして重要な意味を持つ作品だと感じた」という答えが返ってきた。
「私が演じた父・ミケーレ。この役を演じることで、自分のキャリアにまた新たな風を吹き込ませることができると感じたんだ。