日米デザイナー対談! 2人のデザイナーは鬼才ホン・サンスの世界をどう切り取ったのか?
ブライアン:そもそも業界に入るきっかけは、映画の配給会社への入社でした。そこで映画に関するいろんなことを学んでいたのですが、ある時ふと、もう少し情熱をもって何か新しいことができないか? と考えたんです。
映画の配給会社でしたので、そこにデザインの仕事もあることを知り、上司に「僕にもトライさせてもらえないか?」とお願いしたんです。そうしたら「いいよ。でも会社の仕事とは別にきちんと自分でそのための時間をつくりなさい」と言われました。
それから自分でチャレンジした仕事が幸運なことに評価してもらえました。それがこの仕事をすることになったスタートでした。
ブライアン・ホン(Brian Hung)氏イラスト
若林:僕は映画会社の宣伝部で宣伝の仕事をしてたんです。
とはいえ、もともと自分は美術畑の人間で、宣伝の才能がないことを自覚して、それで一からもう一度デザインの勉強をし直すために、デザイン会社に入社しました。
映画会社の宣伝部にいたくらいですから映画は大好きで、ミニシアター系のポスターの仕事を自分で営業して受けるようになって、30年近くこの仕事をやらせてもらっています。
若林伸重氏
――デザインをされる上で、これまでに影響を受けた映画作品や印象深いポスターなどはありますか?
ブライアン:ひとつ挙げるのは難しいんですが、私は上海で育って、当時はDVDレンタルのお店がたくさんありました。