日米デザイナー対談! 2人のデザイナーは鬼才ホン・サンスの世界をどう切り取ったのか?
若林:最初にオファーをいただいて、試写でその作品を観るんですが、そこで感じた自分の気持ちを心に留めておきつつ、打ち合わせをしながら先方が何を求め、自分はどんなデザインにしたいのか? すり合わせていきます。
これはごく普通にみなさん、やってらっしゃることだと思います。
僕はデザインにおいて、タイポグラフィを非常に大切にしているので、そこをガッチリと固めた上で、写真を触っていくという感じですね。
正直に言いますと、デザインの過程で観客の存在というのはあまり考えないですね。自分がやりたいことを大切にしつつ、クライアントさん(=宣伝・配給会社)が喜んでくれればそれでいいというスタンスでやっています。
ブライアン:いまのお話を聞いて、僕の仕事の進め方とよく似ているんじゃないかと感じています。最初に映画を観て、その時の第一印象をしっかりと心の内で忘れないようにして、クライアントとの打ち合わせに入るわけですが、基本的には自分が何を感じたか? ということを大切にしています。
もうひとつ、クライアントの要望を聞きながら、彼らがなぜこの仕事を僕に頼んだのか? という部分について、理屈ではなく“ニュアンス”的なところでできるだけ理解して、仕事を進めるようにしています。