トランシルヴァニアが舞台の社会派サスペンス群像劇『ヨーロッパ新世紀』10月公開
『4ヶ月、3週と2日』のクリスティアン・ムンジウ監督、6年ぶりの最新作『ヨーロッパ新世紀』(原題:R.M.N)が10月14日(土)より公開されることが決定した。
出稼ぎ先のドイツで暴力沙汰を起こしたマティアスが、トランシルヴァニアの村に戻ってくる。しかし妻との関係は冷めきっており、森でのある事をきっかけに口がきけなくなった息子、衰弱した父への接し方にも迷う彼は、元恋人のシーラに心の安らぎを求める。ところがシーラが責任者を務める地元の工場が、アジアからの外国人労働者を迎え入れたことをきっかけに、よそ者を異端視した村人たちとの間に不穏な空気が流れ出す…。
舞台となるトランシルヴァニア地方は、ブラム・ストーカーの古典的な恐怖小説「吸血鬼ドラキュラ」の舞台になったことで有名。カルパチア山脈に囲まれたこの地方は、古くからの伝統行事が受け継がれ、ヨーロッパ有数の野生動物の生息地でもある。
そうしたトランシルヴァニア特有の風土をあますところなくカメラに収めた本作は、ルーマニア語、ハンガリー語、ドイツ語、英語、フランス語のセリフが飛び交う多民族の村の複雑怪奇な人間模様を映し出す。
村の住民が一堂に会する集会所でのクライマックスは、17分間にもおよぶ固定カメラの長回しショットで撮影され、私たち日本人にとっても他人事ではない“壊れゆく世界”の有り様が鮮烈に描かれている。
監督を務めたのは、ルーマニアの巨星クリスティアン・ムンジウ監督。1980年代のチャウシェスク独裁政権下のおぞましい社会状況を描き、カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した『4ヶ月、3週と2日』(07)に続き、『汚れなき祈り』(12)ではカンヌ国際映画祭の女優賞と脚本賞を受賞、『エリザのために』(16)では同・監督賞に輝いた。
解禁された日本版ポスタービジュアルでは、森の中で何かを見て思い詰めたような表情の少年が大きく捉えられている。マティアスの息子である幼い少年が、森で得体の知れない何かを目撃するミステリアスな冒頭シーンだ。
「人間を俯瞰する山、潜む動物…。その森で、少年は何を見てしまったのか?」、「それは退化か、進化か、それとも破壊の予兆か―」というコピーが指し示すものとは?小さい村で一体何が起こるのか、少年はなぜ口がきけなくなったのか…。不穏な雰囲気が相まって展開が気になるポスターとなっている。
『ヨーロッパ新世紀』は10月14日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。
(シネマカフェ編集部)
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