『ドライブ・マイ・カー』以来の再タッグ、濱口竜介監督『悪は存在しない』ヴェネチアコンペ部門に正式出品
』は、10月にベルギーで開催されるゲント国際映画祭で初お披露目となり、それ以降、石橋さんによるライブ・パフォーマンスとともに世界各地で上映が予定されている。
石橋英子
濱口竜介監督&石橋英子コメント
濱口竜介監督「映画として演出しないと太刀打ちできない」
『悪は存在しない』は元々、石橋英子さんからのライブパフォーマンス用映像依頼を受けたことをきっかけに制作が始まりました。石橋さんとデモ的な音楽と映像をやり取りするうちに、「ミュージックビデオのようなものは自分には撮れない、普段やっているように映画として演出しないと石橋さんの音楽に太刀打ちできない」という思いが固まり、物語映画の脚本を書き下ろしました。その物語映画のフッテージからライブ用映像を作ろうと考えたのです。三月に長野・東京での撮影を終えて、非常に強い手応えを感じました。出演者一人ひとりの声やありようが、私が想像していたものを遥かに越えていたからです。結果として『悪は存在しない』は、石橋さんの美しい劇伴音楽とともに一本の独立した映画として完成しました。今はヴェネチア国際映画祭が、この奇妙な成り立ちの映画の魅力を受け止めて、コンペティション部門に選出してくれたことを心から嬉しく思っています。