2023年11月13日 15:00
【ネタバレあり】「ロキ」S2・最終話 ロキは“神”として在り続ける…大切なもののために選んだ物語の終着
その姿は、まさしく巨大な“時間織り木”だった。
『マイティ・ソー』で、ロキが氷の巨人の国ヨトゥンヘイムを滅ぼそうとしたときのビフレストが大木のようだったことをふと思い出し、ソーがジェーンに話していた北欧神話に登場する世界樹(ユグドラシル)が思い浮かんだ。ソーが言っていたように、アスガルドは魔法(フィクション)と科学(サイエンス)が等しい場所だ。時間移動でO.B並の科学を習得したロキは、さらに魔法によって時間軸が有機的に絡まる1つの巨木を作りあげた。費やした途方もない時間は、決して無駄ではなかった。もう彼は裏切り王子でも、嘘と悪戯を愛する神でもない。「ひとりは嫌」だったはずなのに、大切な人たちが自由意思を持って生きられるよう見守ることのできる孤独な玉座についた。ロキ自身が、いわば“在り続ける者”(He Who Remains)となった。
あのロキが見せた、究極の自己犠牲だ。神聖時間軸では叶わなかった居場所を、ついに見つけたのだ。
その結果、TVAは様変わりした。“未来を木にかけ共に伸びよう”のポスターが張られ、ミス・ミニッツは初期化。O.Bの手元にはTVAガイドブック第2版が到着した。