2023年12月25日 18:30
「模倣犯」は脚本開発に2年半、台湾ドラマ急成長の理由を名プロデューサーが語る
「模倣犯」も宮部みゆきさんの過去の小説ですが、物語の核となる部分は、改めてドラマにする価値が十分あると思いました。ドラマ化の機会を下さった宮部さんには、とても感謝しています。
現在も、複数の日本とのプロジェクトが進行中です。日本と台湾だけではなく、世界中の視聴者にも理解してもらえるようなテーマの作品を発信していきたい。日本と台湾でヒットすれば、世界でも通用すると思っています。
実は私が小さい頃、母が10年間、日本で働いていたことがあるんです。兄も日本の大学を卒業しました。家族が長い間日本にいたので、私も80年代、90年代の日本をよく知っています。
ローカルの多様なストーリーを生む背景
――湯さんのプロフィールを拝見すると、以前はテレビ局で客家や原住民に関する番組などを製作されていたそうですね。その経験も今のドラマ制作に活かされていますか?
私自身、客家人なので、自分のルーツには非常に関心があります。学生時代は原住民のサークルに入っていましたし、母はホーロー語(台湾語)を話す所謂“本省人”。私にはいろいろな背景があるのです。小さい頃は「眷村」(戦後、中華民国政府とともに大陸から台湾に渡った軍隊とその家族が住んでいた集落)