沢村一樹インタビュー 初監督作に育んできた夢と初恋への思いを込めて
(Photo:cinemacafe.net)
元々、映画好きで俳優を志した頃から監督業にも興味を持ち、いつかは、という思いがあった。その夢は「42歳までに撮りたい」というもの。43歳を迎えた今年、二十年来の夢をしっかりと実現させた。
「子供の頃から映画が好きで、中学生のときにはお小遣いがたまると観に行っていましたね。大学行くのか就職するのか進路を決めるときに、映画の仕事をやりたい、と。
その頃から、監督はチャンスがあれば一度はできないかな?と思っていました。でも一番は役者。僕はデビューが28歳と時間がかかってしまったけど、デビューしたときに共演させていただいた内藤剛志さんが42歳でその姿がいいな、と思って、42歳ぐらいまでには撮りたいと。2〜3年前から機は熟したと思って、それを公言するようになりました。言霊が宿りましたね(笑)」。
公言した思いが実り、監督デビューの誘いが来て快諾。準備、撮影2日間、編集に音入れと約1か月半の作業を、手探りながらも楽しんだという。
「何も経験がなく、何もかもが手探りでした。
スタッフさんはどういう作品のどういう感じ?とイメージを欲しがるんですけど、最初はそのやり取りに慣れていなくて分からなかった。次はそれじゃいけない、と思っています。何も分からないで指示を出していましたから、きっととんでもない指示で周りは大変だったんじゃないかと。でも、周りのスタッフさんが親切に接してくれたから、とにかく楽しかった、やることなすこと全部が。台本ができて衣裳、小道具を決めて、キャスティング決めて、っていう全部の工程が楽しかったです」。
劇中、主人公の少女は恋の矢を手に好きな子を射止めようと走り回り、思い悩む中で、ある決断を下し、行動に出る。その姿には沢村さんの実らなかった初恋への思いが投影された。「監督業をやっていると尻の穴までのぞかれている気分(笑)。
いまから僕の尻の穴を見せますね」と照れながら明かす。
「叶わなかった思い出なんです。昔、あるバラエティ番組でレギュラーをやらせてもらっていた際に、スタッフが僕の小学校3年のときの初恋相手にインタビューをしてきたんですけど、僕の本名の野村を彼女、『?』って覚えていなくて、あの人かな?くらいの記憶だった。それがすごいショックで。何もしないってことは何も残らない、ゼロなんですよね…。だからこの作品の中の少女には、○○○○くらいはさせよう、と」。
今後の活動について「役者が中心に」と言い切る一方で、すっかり監督業の虜になりつつある。
「いろいろ模索したんですけど監督と役者の両方をやっていくのはやっぱり難しい。
でも監督はもう1回、やってみたいですね。今回、本当に楽しかったんですよ。マズイ!っていうくらい。次も楽しめるのか確かめたい。次も楽しかったら、もう1回やりたいってなるでしょうね」。
(hairmake:iNOMATA<l’ATELIER>/stylist:森岡弘<GLOVE>/photo&text:Yoko Saito)
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© 2010WOWOW
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十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開
© 2010「十三人の刺客」製作委員会武士道シックスティーン 2010年4月24日よりテアトル新宿ほか全国にて公開
© 2010映画「武士道シックスティーン」製作委員会
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