加瀬亮×永山絢斗×光石研インタビュー 『マザーウォーター』ほのぼのメンズトーク
──撮影を通じて感じた京都の良さはどんなところですか?新たな発見はありましたか?
光石:京都撮影所があるので、長期に渡って滞在したことはあるんです。けれど、京都に喫茶店文化やコーヒー文化があるのは知らなくて。20代の頃から撮影で京都に通っているのに、加瀬くんに教えてもらうまで全然知らなかったんです。滞在中はスタッフに作ってもらった冊子と市販の『おじさんの京都』というガイドブックを参考に、いろいろなお店を回りました。そういう楽しみがあったのは今回が初めてですね。
──この映画にも小泉今日子さんが演じるタカコが営む素敵なカフェが登場しますよね。ほかにも豆腐屋、ウイスキーしか置いていないバー、どのお店も居心地が良さそうで。ただ、居心地のいい雰囲気を出すことは役者にとってハードルは高いのでは?
光石:そうですね。
『めがね』のときも思っていたことなんですけど、舞台となる場所(土地)でちゃんと呼吸をしていないと成立しない映画だと思うんです。だから短い期間ではあるけれど、京都を自分自身にしっかり染み込ませるというか、そういう点に気を付けていました。
加瀬:さきほど光石さんも“削ぎ落とした”という表現を使っていましたが、個人的にはゆるい映画とは捉えていないです。