「はて?」と上げる声、その心は寅子と共に…「虎に翼」が残したもの
誰もいない裁判所で、「さよーならまたいつか!」と笑う法服姿の寅子(伊藤沙莉)で幕を閉じた連続テレビ小説「虎に翼」。
SNSには放送直後から「虎に翼ありがとう」「半年間おもしろかった」「すごく好きなドラマだった」「数年ぶりにハマった」といったロスの声や、視聴者やキャスト陣からも米津玄師の主題歌に合わせた「さよーならまたいつか!」と挨拶する投稿が相次いでいる。
確かに“トラつば”ロスはあるものの、不思議と寂しさばかりではない。むしろ私たちの心の中には「いつでも寅ちゃんがいてくれる」といった安心感が残されたように思う。もしくは「私の心には誰を呼ぼうか」と、いま思いを巡らせている人もいるかもしれない。そんなふうに観る者の背中をずっと支え続けてくれるような物語の仕舞い方だった。
現在につながる身近な主人公と山田轟法律事務所の存在
「虎に翼」は、第40回向田邦子賞を受賞するなど話題を呼んだNHKよるドラ「恋せぬふたり」の吉田恵里香が手がけたオリジナルストーリー。日本初の女性弁護士の1人で後に裁判官となった女性・三淵嘉子さんをモデルに、困難な時代に道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を半年間にわたり描いてきた。