出会いが人生を変える…『花嫁はどこへ?』監督こだわりの本編映像「女性たちはみな多様」
先日、第97回米アカデミー賞国際長編映画賞のインド代表作品に選出されたアーミル・カーン製作の『花嫁はどこへ?』から、キラン・ラオ監督こだわりの本編シーンが独占解禁となった。
前代未聞のかん違いにより、取り違えられた2人の花嫁が思いもよらない出会いを経験していくことになる本作。
花婿とはぐれ、駅で困っているところを助けられた花嫁プールは、駅の屋台の主人マンジュおばさんと少年チョトゥと出会い、少しずつ店の手伝いをし始める。7歳から仕事をしているチョトゥは「働いていれば仕事は自然と覚える」とプールに大人顔負けのアドバイス。
「親がいないの?」とプールが尋ねると「両親も兄弟もいるよ。毎月仕送りしてる」とチョトゥ。その答えにプールは「女は機会がもらえないのね」「なぜ無力でいろと?」と正直な気持ちを話す。
するとマンジュおばさんは「怖いのさ」「いいかい、女は畑仕事も料理もできる。
子供も産めるし育てられる。女にとったら男はそれほど必要ないんだ」とプールに話し始める。「でも女がそれに気づいたら気の毒な男たちはおしまいだろ」と笑い「詐欺(フロード)の意味がわかったかい?」というマンジュの言葉に決心を決めるプール。
「嫁ぎ先に行ったら小さくても何か仕事をするの」「あの人を支える」と決意に満ちた表情をみせる。しかしマンジュから「あの人?」「まずは夫を名前で呼ぶところからだね」とまだプールが夫のことを名前で呼ばないところを突っ込まれ微笑み合う。
花嫁プールに気づきをあたえるマンジュおばさんを演じるのは、実力派俳優チャヤ・カダム。今年のカンヌ国際映画祭グランプリ作『All We Imagine as Light』(パヤル・カパディア監督)にも出演するインドを代表する俳優のひとり。
監督自身お気に入りのキャラクターがこのマンジュおばさんだと語り、「本作に登場する女性たちはみな多様で、正しい在り方はひとつではないという考えを表現している」という監督の思いを代弁する登場人物だ。
ひとりでたくましく生きるマンジュおばさんや色々な人との予期せぬ出会いを経て、保守的に育てられてきた花嫁プールが成長していく様は、我々観客にも気づきを与えてくれるだろう。
本シーンは直木賞作家・角田光代も先日行われたトークイベントにて印象的な場面として挙げ「心に残る良いセリフがたくさん!」と大絶賛していた。
本作プロデューサーのアーミル・カーンは『ダンガルきっと、つよくなる』、『シークレット・スーパースター』などこれまでのプロデュース作でも少女や女性の成長を描いてきた。そんなアーミルが本作の原案になる脚本を見出し、それを託された盟友キラン・ラオ監督が思いを込めた作品となっている。
『花嫁はどこへ?』は10月4日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開。
(シネマカフェ編集部)
■関連作品:
花嫁はどこへ? 2024年10月4日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開
© Aamir Khan Films LLP 2024
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