女性中心のチリ民主化運動のうねり捉える『私の想う国』12月20日公開

第75回カンヌ国際映画祭でも特別上映され、大きな話題となったドキュメンタリー映画の巨匠、パトリシオ・グスマン監督最新作『私の想う国』が12月20日（金）より公開決定。ポスタービジュアルが解禁された。

2019年、突然チリのサンティアゴで民主化運動が動きだした。その口火となったのは、首都サンティアゴで地下鉄料金の値上げ反対がきっかけ。その運動は、リーダーもイデオロギーもなく、爆発的なうねりとなり、チリの保守的・家父長的な社会構造を大きく揺るがした。


運動の主流となったのは、若者と女性たち。150万の人々が、より尊厳のある生活を求め、警察と放水車に向かってデモを行ったのだ。それは2021年、36歳という世界で最も若いガブリエル・ボリッチ大統領誕生に結実する。


ピノチェト独裁政権下にキューバに亡命し、現在パリに住むパトリシオ・グスマン監督が、新たな女性中心の社会運動を目の当たりにして、自らカメラで捉えた本作。


目出し帽に鮮やかな花をつけデモに参加する母親、家父長制に異を唱える4人の女性詩人たち、先住民族のマプチェ女性として初めて重要な政治的地位についたエリサ・ロンコンなど、多くの女性たちへのインタビューと、パトリシオ・グスマン監督自身のナレーションが観客に寄り添い、革命の瞬間に立ち会っているかのような体験に我々を誘う。