上映禁止命令から支援、公開へ「インクルーシブな映画が作りたかった」『ジョイランド』監督語る
パキスタン映画として初めてカンヌ国際映画祭に出品され「ある視点」審査員賞とクィア・パルム賞を受賞、さらにアカデミー賞の最終選考に残り、2023年インディペンデント・スピリット賞外国映画賞など18賞を受賞、世界で旋風を巻き起こした話題作『ジョイランドわたしの願い』。10月18日(金)からの日本公開を前に、本作が長編デビュー作となったサーイム・サーディク監督のコメントが到着した。
伝統的な価値観に縛られるパキスタンの若き夫婦が、そこから解放され、自分らしく自由に生きたいという願いの間で、揺れ動く姿が繊細に描かれる本作。
本国では少数の保守系団体から「LGBTQ+や、彼らとの恋愛を美化して描いた」ことが「社会的価値観や道徳基準にそぐわない非常に不快な内容が含まれており、“品位と道徳”の規範に明らかに反する」と反発を受け、政府により公開1週間前に上映禁止命令が出されるという事態に。
しかし監督や出演者らの抗議活動に加え、ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイやパキスタン系イギリス人の俳優リズ・アーメッドらから支援の声が上がり、禁止令は撤回。本国での上映が実現したことでも注目された。