アシュトン・カッチャー インタビュー「スパイを演じるって男のファンタジーだよ!」
(Photo:cinemacafe.net)
──『キス&キル』の出演を決めた作品の魅力は何ですか?
3年前に初稿の脚本を読んだんだけれど、あまり乗り気にはなれなかったんだ。最初は男性の主役の方に視点が偏っていて妻は脇役に過ぎなくて。
いい脚本だけど、100%惚れ込むほどではないなって思ったのを覚えているよ。だからそのときはまだ契約する気になれなかった。後に手を加えた脚本を読んだけれど、そのときは話のバランスが整えてあった。男性と女性、2人の視点になっていて、惹かれるものがあったね。ユニークでおもしろい物語だと思えたから出演を決めたんだ。
──スペンサーというキャラクターのどんなところに惹かれましたか?
映画で身分を隠したスパイを演じるのって、どんな男でも心に秘めているファンタジーだと思うんだ。僕はジェームズ・ボンドなどの映画を観て育ったんだからね。だからアクション・アドベンチャーの役柄を演じることは夢だった。
そして、脚本をしっかり読んでみると、実はアクション・アドベンチャー的な男が普通になろうと頑張る物語だったんだよ。そこに本当の魅力を感じた。スパイという普通じゃない生活を送ってきた男がいて、普通の男になろうと奮闘する──そこがとても興味深かったね。
──本物のアクションと本物のギャグを融合させているのも魅力的ですね?
その通りだね。この映画の撮影に入る前に、『ビバリーヒルズ・コップ』を観たんだ。アイディアを拝借したくてね。改めて観てみると、最初の部分がどれだけ暴力的だったか忘れたようになる。でも、最初の暴力シーンがあるから、エディ・マーフィーがあの映画でどれだけの苦労を背負っているか理解できるんだ。
この映画をまた観たのは加減を知りたかったからで──アクションをどこまで追求すれば、ストーリーの邪魔をせず、観客を笑わせることができるのか?という加減だね。『リーサル・ウェポン』も同じ理由で観たよ。ただ、これを参考にしようと言える映画はなかったけれど…『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』のことは大いに念頭にあったし、『インディ・ジョーンズ』も少し思い浮かべたかな。コメディタッチの恋愛関係とアクションとのバランスを見る上でね。
──役作りにおいて撮影前に特別な準備はしましたか?
ワークアウトして肉体美を作る必要があったよ。だって最強のスパイになるんだからね。それなりの身体じゃないとだめじゃないか(笑)。たぶん1日に3〜4時間じゃないかな。
クラヴ・マガ(接近格闘術)とムエタイをやったよ。フランスのムエタイ・チャンピオンに手ほどきを受けたくらいさ。元SAS(イギリス陸軍特殊部隊)の友人がいるから、基本的な寝技とかのテクニックを一緒に練習したりしたよ。
──共演のキャサリン・ハイグルはコメディ作品に多く出演している女優。彼女との仕事はいかがでしたか?
キャサリンは僕が仕事をした中でも特にカメレオンっぽい俳優だね。というのは、言われてすぐに素の自分から役柄の人物へと変われるんだ。僕は役柄を演じるために徐々に気持ちを盛りあげていかないといけないタイプ。自分がやりたいことやどうやるのかを見定めるには少し時間がかかるんだ。
けれど、キャサリンはランチを食べながらでも「いいわよ!」と役柄に切り替えられる。パパッと変身してシーンを演じることができるんだよ!僕もああなりたいよ(笑)。
(text:Rie Shintani)
『キス&キル』特集
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© Rex Features/AFLO
■関連作品:
キス&キル 2010年12月3日よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国にて公開
© 2010 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.
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