『最後の忠臣蔵』役所広司インタビュー “生かされた男”の矜持を語る
(Photo:cinemacafe.net)
よきパパにヤクザに刑事…と「ありとあらゆる」という言葉が決して大げさではないほど様々な役柄を演じてきた役所広司。現代劇のみならず、時代劇でも数多の時代の歴史上の人物を演じてきたが、不思議なことに「忠臣蔵」に関してはこれまでほとんど縁がなかったそう。以前、正月のドラマ(「大忠臣蔵」)で堀部安兵衛を演じたことがあったきり。そんな役所さんがついに映画で「忠臣蔵」に関わることになったが、今回の『最後の忠臣蔵』はただの「忠臣蔵」にあらず!赤穂浪士の討ち入りからから16年もの歳月が過ぎたのちの、いわゆる“後日談”を描いたものなのだ。誰もが知っている事件の誰も知らなかった真相――役所さんはどのようにこの物語、役柄に向き合ったのか?
「足軽だったからこそ、“本物の侍”の心を持ち続けることができた」
役所さんが演じるのは、討ち入りの前日に姿をくらました瀬尾孫左衛門。命惜しさに逃げ出した裏切り者という汚名を背負って生きる孫佐衛門だが、実は大石内蔵助から直々に、これから生まれてくる彼の娘を育て上げるという密命を受けていたのだ。役所さんは孫左衛門を「生かされてしまった男」