【インタビュー】広瀬すず&木戸大聖&岡田将生「補って埋め合う」演じた役の“稀有な関係”を紐解く
広瀬すず、木戸大聖、岡田将生が共演を果たした映画『ゆきてかへらぬ』。同作で、広瀬は女優の長谷川泰子を、木戸は詩人の中原中也を、そして岡田は文芸評論家の小林秀雄と、それぞれが実在した人物を丁寧に演じた。
泰子は中也と恋仲になるのだが、中也の分筆の才を見出す小林が加わったことで、その関係は3人でしか成り立たないアンバランスさをはらみ進んでいく。泰子は中也と小林の才気に嫉妬し、中也は小林に傾く泰子に執着を見せ、小林は二人とうまくやろうとしながらも振り回され、3人が3様に溺れるのだ。

『ゆきてかへらぬ』とは「後戻りすることのない」という意味。刹那と情愛が交差する先にあるものではなく、その稀有な関係性を観客は見つめる。
シネマカフェでは、広瀬、木戸、岡田に演じたトライアングルの関係についてインタビューを実施。さらに、劇中で描かれる大正~昭和初期の“スマホがない時代”にまで思いをはせてもらった。
演じたのは「実在の人物」その人柄を分析
――『ゆきてかへらぬ』では実在の人物を演じられましたが、それぞれどのような人柄だと捉えて臨みましたか?
広瀬:泰子は女優になるという夢を見ているけど、中也と小林という二人の天才に出会って、その才能には勝ることができずにいる女性です。