EU27か国のアニメーション全44作品が大集結「EUフィルムデーズ」5月より開催
EUに加盟する全27か国から珠玉のアート・アニメーション作品が集結する「EUフィルムデーズ2025」が、5月9日(金)の大阪を皮切りに順次開催されることが決定した。
EUフィルムデーズは、欧州連合(EU)加盟国の在日大使館・文化機関が選んだ自国の注目作品を一挙上映するユニークな映画祭。
本年は「ヨーロッパの珠玉のアート・アニメーション集結!」をキャッチフレーズに、「アニメーション」にフォーカスし、各国が厳選した短編31本および長編13本のアニメーション作品を上映する。
ヨーロッパでは歴史的に、芸術性が高く、洗練されたアニメーションが数多く作られ、世界的な評価を得てきた。その手法はドローイングからストップモーション、または最先端の3Dアニメーションまで多岐にわたり、個人の内面世界から社会的な問題まで様々なテーマが扱われている。
映画祭は大阪・関西万博に合わせて、5月9日(金)より大阪・テアトル梅田にて開幕、6月28日(土)より東京・シアター・イメージフォーラム、その後、名古屋、福岡、京都と順次開催する。
この度解禁されたポスタービジュアルは、日本画を彷彿とさせるタッチのイラストレーションで心温まる親子の絆を描き、カンヌ国際映画祭2022批評家週間審査員賞を受賞したポルトガルの監督ジョアン・ゴンザレス作『氷商人』のひと幕を採用。
本作は、断崖に建てられた極寒の家で暮らし、パラシュートで遠く離れた村に氷を売りに行く親子が主人公のイマジネーション溢れる物語。
長編作品の注目作は、英国のバンド「ザ・プロディジー」のミュージッククリップや異色のパペットアニメ『愛しのクノール』を手掛けたオランダのマッシャ・ハルバースタット監督による長編第2作『キツネのフォスとウサギのハース~森を救え~』。
そして、ヒッチコック、ピカソ、ウォーホルなどへのオマージュに彩られたハンガリーのミロラド・クルスティッチ監督によるサイコスリラーで、ロカルノ国際映画祭でプレミア上映された『名画泥棒 ルーベン・ブラント』が挙げられ、全て本邦初公開となる。
また、『マロナの幻想的な物語』で知られるルーマニアのアンカ・ダミアン監督の最新作で、時事問題を不条理なユーモアで詩的に表現したアニメーションミュージカル『アイランド』も本邦初公開。
一方、「千夜一夜物語」を基にドイツのロッテ・ライニガー監督が創作した大作『アクメッド王子の冒険』は1962年に製作の現存する最古の長編影絵アニメーションで、貴重な上映となる。
2003年から続くEUフィルムデーズでは初の試みとなる「アニメーション」にフォーカスしたEUフィルムデーズ2025。これまでとは違う角度でヨーロッパを再発見する機会となりそうだ。
【長編上映作品】
●アクメッド王子の冒険The Adventures of Prince Achmed監督:ロッテ・ライニガー/1926/ドイツ/66分
●イカロスとミノタウロスIcarus and the Minotaur監督:カルロ・ヴォーゲレ/2022/ルクセンブルク/76分
●イヌとイタリア人、お断り!NO DOGS OR ITALIANS ALLOWED監督:アラン・ウゲット/2022/フランス/70分
●スルタナの夢Sultana's Dream監督:イサベル・エルゲラ/2023/スペイン/86分
●アイランドThe island監督:アンカ・ダミアン/2021/ルーマニア/85分/未公開
●ドンとDJの大冒険 ~セントラルパークの仲間たち~The Inseparables監督:ジェレミー・デグルソン/2023/ベルギー/85分
●名画泥棒 ルーベン・ブラントRuben Brandt, Collector監督:ミロラド・クルスティッチ/2018/ハンガリー/93分
●農民The Peasants監督:DKウェルチマン、ヒュー・ウェルチマン/2023/ポーランド/113分
●キツネのフォスとうさぎのハース~森を救え~Fox and Hare Save the Forest監督:マッシャ・ハルバースタット/2024/オランダ/71分
●ビッグ・マンBig Man監督:ラデク・ベラン/2024/チェコ/73分
●フリーFlee監督:ヨナス・ポーヘア・ラスムセン/2021/デンマーク/88分
●ニコ~サンタのそりを救え!~Niko: Beyond the Northern 監督:カリ・ユーソネン、ヨルゲン・レルダム/2024/フィンランド/85分
●心の法Law of the Heart監督:ロゼ・スティエブラ/2024/ラトビア/65分
「EUフィルムデーズ2025」開催期間&会場
大阪(テアトル梅田):5月9日(金)~5月29日(木)
東京(シアター・イメージフォーラム):6月28日(土)~7月11日(金)
名古屋(キネマノイ):7月下旬
福岡(福岡市総合図書館映像ホール・シネラ):8月20日(水)~8月24日(日)、8月27日(水)~8月30日(土)(9日間・予定)
京都(京都文化博物館):9月(予定)
(シネマカフェ編集部)
■関連作品:
FLEE フリー 2022年6月10日より新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開
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