3万円台の激安コンパクトノートPC - エプソン「Endeavor NY40S」を試す
○手ごろな価格の11.6型ノートPC
エプソンダイレクトが低価格なコンパクトノートPCとして新たに発売したのが「Endeavor NY40S」だ。OSにWindows 8.1 with Bingを搭載したモデルでは税別32,000円という衝撃的な価格となっている。低価格なWindowsマシンといえば8型のタブレットが人気となっているが、文書作成などの使い勝手のよさからノートPCを求めている人には注目すべき一台といえる。
NY40Sはコストパフォーマンスを重視したモデルで、AMDのデュアルコアAPU「E1-2100」をはじめ、メモリは2GB、ストレージは500GBのHDDと必要最小限といえる内容だ。BTOを得意としている同社だが、NY40Sのスペックはほぼ固定されおり、変更が可能なのはメモリ容量を増やすオプションのみ。4GBメモリへの変更は、プラス3,000円(税別)と手頃な価格なので、予算がよほど逼迫していない限り利用したい。なお、今回はWindows 7モデルを試用した。
■[製品名] Endeavor NY40S主な仕様[APU] AMD E1-2100 (1GHz)[メモリ] PC3L-12800 2GB (2GB×1)[グラフィックス] AMD Radeon HD8210 (APU内蔵)[ディスプレイ] 11.6型ワイド液晶 (1,366×768ドット)[ストレージ] 500GB SATA HDD[光学ドライブ] なし[サイズ/重量] W297×D193×H36mm/約1.2kg[バッテリ駆動時間] 約3.9時間 (JEITA 2.0)[OS] Windows 7 Home Premium 64bit[直販価格] 税別39,000円
○ヘアライン加工の落ち着いたデザイン
デザインは「質実剛健」とよく表現される同社の製品らしく、黒を基調としたシンプルで落ち着いたものとなっている。
天面とパームレスト、タッチパッドはヘアライン加工となっており、デザインに統一感がある。さすがに底面はもろにプラスチックという感じになっているが、普通にディスプレイを開いた状態ならば、低価格モデルとは思えない雰囲気を持っている。
ディスプレイは11.6型ワイドのグレア(光沢)液晶でタッチ操作には非対応となっている。映りこみは少々気になるものの、発色は良好だ。視野角も広めといえる。11.6型のコンパクトな製品ながら、キーボードは14型のEndeavor NY2400Sと同じものを搭載。キーピッチが18.5mm、キーストロークが2mmとなっている。ストロークはそれほど深くないとはいえ、押した感触がしっかりとあるため打ちやすい。
強めに押すと周囲が少したわむが、配列にクセもなくスムーズに使えた。
●実際の性能は? ベンチマークで実力チェック
○メモリは2GBで足りるのか?
ここからはスペックに目を向けよう。まず、AMDのE1-2100 APUは、2コア/2スレッドのプロセッサ。TDPが9Wと低消費電力なのは魅力だが、一世代前のアーキテクチャで動作クロックが1GHzと低いこともあり、パフォーマンス不足は否めない。
標準のメモリが2GBと少なく、ストレージもHDDであるため、アプリケーションの起動やフォルダの開閉にも遅さを感じることがある。ブラウザやオフィス程度ならば十分にこなせるとはいえ、プラス3,000円(税別)でメモリを4GBにしておくことをお勧めしたい。
○実際の性能は? ベンチマークで実力チェック
ベンチマークで性能をチェックする。使用するのは、PCの総合的な性能を測定する「PCMark8」のHome acceleratedと定番オンラインRPGのベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の2種類だ。
今回試用したのはWindows 7モデルなので、Windows エクスペリエンスインデックスも合わせて掲載する。
「PCMark8」の結果はどの数値も高いとはいえない。性能的には、Intelの"Bay Trail-M"ことCeleron N2920に近いレベルだ。3万円台という価格を考えると妥当といえる。「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」についてもプレイするのが困難といえる数値だ。E1-2100 APUは、GPUとしてRadeon HD 8210が搭載されているが、GPUコアクロックは300MHzと低いため、3Dゲームをプレイするのは難しいと考えていいだろう。
バッテリ駆動時間のチェックには、「PCMark8」のHome accelerated Battery lifeを利用した。カタログ上の駆動時間は約3.9時間となっているが、Battery lifeの結果は2時間42分16秒だった。
長時間のバッテリ使用には向かないようだが、同社もNY40Sを本格的なモバイルノートPCとは位置づけておらず、コンパクトノートPCとして打ち出している。
○家庭用のサブノートPCとして魅力ある一台
Windowsタブレットと比べると性能面は同程度。価格はむしろ有利といえる。デザインはシンプルで落ち着いたもので、キーボードも使いやすい。仕事用や家族用のサブノートとして十分に活躍できる。Windows XPのサポートが終了した今、古いノートパソコンからの買い替えにもオススメだ。また、E1-2100 APUは、低消費電力、低発熱であるため、動作音が静かなのもポイントといえる。
OSが選べるのも特徴だ。
Windows 7(税別39,000円~)と無料OSとして話題のWindows 8.1 With Bing(税別32,000円~)の搭載モデルが用意されている。価格を考えればWindows 8.1 With Bingだが、昔からのインタフェースを踏襲しているWindows 7のほうがいい人もいるだろう。手厚いサポートで定評のあるエプソンのノートPCが3万円台で手に入るのは大きな魅力だ。