鉄道トリビア (262) 「鉄」が嫌いな鉄道会社がある
他にも、「金を失う」という「鉄」の字を避けるため、旧字の「鐵」の字を使う会社がある。この夏に「きかんしゃトーマス号」を運行する「大井川鐵道」、先頃の天皇皇后両陛下がご乗車なさった「わたらせ渓谷鐵道」、猫のたま駅長で有名になった「和歌山電鐵」、さらに「真岡鐵道」「小湊鐵道」「土佐電気鐵道」「信楽高原鐵道」などがある。正式社名であったり、そうではなかったりするけれど、「鉄」より「鐵」を好んでいるようだ。
そもそも、「鉄」の字の成り立ちは「金を失う」ではなかった。鉄は「鐵」の略字で、「鐵」の字のつくりの部分は「漆」の意味。錆びて漆のように赤くなる金属という意味だ。ちなみに、「金へんに矢」のほうは、本来は「やじり」という意味の「鏃」という字の略字で、「鉄」と同じ意味ではない。JISコードに含まれていなかったこともあって、現在は本来の意味ではあまり使われていないようだ。