南沙良、故・佐々木すみ江さんとの共演は「すごく大切な宝物」
心に不安を抱える若者たちが、親元から離れて共同生活を送る「もみの家」。16歳の彩花は周囲に馴染めず、ふざけた寮生から農作業中に突き飛ばされて泥だらけに。その場を無言で後にした彩花だったが、たまたますれ違った高齢女性・ハナエから「つらかったね。偉かったねぇ」と慰められ、堰を切ったように泣き崩れる――。
映画『もみの家』(公開中)で彩花を演じた南沙良(17)にとって、ハナエ役の大女優・佐々木すみ江さんとの共演は「大切な宝物」となった。大河ドラマ『篤姫』やNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』など数多くの作品で名を残してきた佐々木さんは、2019年2月に90歳でこの世を去ったが、その前年に出演したのが『もみの家』だった。
2017年公開の映画『幼な子われらに生まれ』で女優デビューを飾った南沙良。三島有紀子監督の言葉を胸に演技と向き合い続け、『もみの家』では佐々木さんと数々の感動シーンを繰り広げる。
南にとって、佐々木さんとの共演はどのような意味を持つのか。「大切な宝物」を振り返ってもらった。
○■役柄との共通点は「コンプレックス」
――作品公式サイトのコメントによると、「彩花に対して少し近親憎悪に似た感情」