くらし情報『惑星観測衛星「ひさき」、木星側に流れる木星内部磁気圏の高温電子を観測』

2014年9月26日 20:59

惑星観測衛星「ひさき」、木星側に流れる木星内部磁気圏の高温電子を観測

惑星観測衛星「ひさき」、木星側に流れる木星内部磁気圏の高温電子を観測
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月26日、木星の強力な磁場に取り囲まれた領域(木星内部磁気圏)において、高温の電子が木星側に向かって流れているという証拠を惑星分光観測衛星「ひさき(SPRINT-A)」の観測によって捉えることに成功したと発表した。

同成果の詳細は米科学誌「Science」に掲載された。

木星は地球の1000倍以上もの強い磁場を有しており、その磁力線は木星周辺にまで及んでおり、それにより「木星磁気圏」が形成されている。この磁気圏は、太陽系内最大の粒子加速器であり、木星本体に近い内部磁気圏には、放射線帯と呼ばれる高エネルギー電子が詰まった領域があることが知られているが、同領域での電子加速のメカニズムは統一的に理解されておらず、太陽系プラズマ物理における論争が続いていた。

具体的には、木星磁気圏の外側領域に存在する高温電子が磁場の弱い外側領域から磁場の強い内側領域に移動すると、ある種の電磁波を励起し、それが電子をさらに加速し、放射線帯電子のエネルギーへと到達させ、これが定常的に起こることで木星放射線帯が成立・維持されるという説が唱えられていた。しかし、より強い磁場の領域に電子を輸送することは通常では困難と考えられており、本当に磁場の弱い領域から強い領域へと高温電子が効率的に輸送されるのかどうかが疑問視されており、その様子を観測的に捉えることが求められていた。

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