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一眼レフ初心者が猫撮影に挑む! (4) 何のために猫の写真を撮るのか

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一眼レフ初心者が猫撮影に挑む! (4) 何のために猫の写真を撮るのか
今日は、「何のために猫の写真を撮るのか」ということについて書いてみたいと思います。

○何のために猫の写真を撮るのか

第二回目の記事「透明感のあるふわふわの猫写真を撮影するには」で、「まるで目の前に本物の猫がいるかのような写真を撮影するのが好き」と書きました。私が猫の写真を撮る唯一の目的はコレなんです。

私のとって写真とは、その時自分がいた時間と空間をカメラの中に切りとって保管することです。ずーっと前に撮影した写真を後から見ると、「うちの猫はこんなに小さかったんだなぁ」とか「この時おもらししちゃって大変だったなぁ」とか、その時の情景をありありと思い出すことができる。それが、私にとっての写真の魅力です。

私は一週間で、猫の写真をだいたい5,000枚以上撮影します。ブレた写真や露出失敗している写真でも絶対に消したりしません。
本当に毎日毎日ヒマさえあれば猫ばっかり撮っています。うちの猫たちが、いつか必ずいなくなる日が来るということをわかっているからです。

たった半年しか生きられなかった先代の猫の写真は、わずか2,200枚程度しかありません。自宅のPCデスクの上、会社のデスクの上、リビングや玄関など、目につく場所に、先代の猫の写真を飾ってあります。今でもまだ、世界で一番大好きな猫だからです。先代の猫の写真を見ていると、本当に可愛くて顔がほころびます。心から幸せな気持ちになります。

でも、もう二度と会うことができない愛猫を思う時、写真が少ないと本当につらいです。
愛猫がいなくなってしまったあまりのつらさで毎日泣いてばっかりいるよりは、写真を見て、「この子と一緒にいることができて、本当に楽しかったなぁ」と、幸せだったころのことを思い続けることの方が素敵だな、と思うんです。

毎日猫の写真ばっかり撮っていて、旦那なんかには「猫がいなくなった後のことまで考えて写真撮ってると、なんか死に急いでるみたいでヤダなぁ」なんて苦笑いされながら言われたりしますが、別にそういうことではありません(笑)。いつか、うちの子たちとさよならすることになっても、楽しかった思い出は、写真という形で残しておきたいなという、ただそれだけなんです。

○猫写真で、誰に何を伝えたいのか

写真は媒体です。撮影した人が見たものと、写真を見る人をつなぐメディアです。媒体である以上、何か伝えたいことがないと、写真は撮れません。

私は誰に何を伝えたくて写真を撮っているのかというと、未来の自分に、「この子たちと一緒にいて最高に幸せだよ」ということを伝えたくて撮っています。私のためだけに、自分一人のためだけに写真を撮っています。


猫の柔らかさ、あたたかさ、あの良い匂い、可愛い鳴き声、何気ないしぐさ……写真で伝わるはずのない事柄も、できるだけ写真を見た未来の自分に伝わるよう撮影しています。

ツイッターやブログで猫の写真をアップすると、「目の前にいるかのような猫写真で、本当に癒やされます!」といったコメントや、「猫を飼いたくても飼えない人には最高の写真です。猫を飼いたい気持ちをこの写真で満たすことができます」といったコメントをいただいたりします。ありがたい限りです。

自分のためだけに撮影したはずの写真ですが、ありがたいことに他のみなさんにとっても意味のある写真になったりするようです。そう言っていただけて本当に光栄です。

○猫と自分が一緒に写っている写真を絶対にとっておくこと

それと、ここで世界中の猫飼いさんに伝えたいことを書いておきたいと思います。絶対に、絶対に、猫が元気なうちに、飼い主さんご自身と一緒に写っている写真を1枚は撮っておいてください。


私が先代の猫と一緒に写っている写真はたったの1枚しかありません。先代の猫が、余命一週間の難病であると知った数日後に撮影したものです。日に日に弱っていくあの子を見て、自分で立つことすらできなくなったその姿を見て、「もう助からないかもしれない」と考え始めた頃に撮った写真です。猫も私も、二人とももうボロボロの状態でした。私はもう頬もこけてて目も真っ赤でクマがすごかったし、猫も目がもう開かなくなっていて、鼻水はすごいし毛並みはパサパサでゲッソリ痩せてしまい、死の淵に立たされていることがありありとわかってしまう状態でした。これが、私が先代の猫と一緒に写っている唯一の写真です。ハッキリ言って、二度と見たくない写真です。

先ほども書きましたが、愛猫がいなくなっても、やっぱり楽しかった思い出というのは本当に一生の宝だと思うんです。
愛猫をなくすと本当につらいですが、だからといって「最初からあの子なんかいなければよかった」だなんて思ったことは一度もありません。一緒にいたことを誇りに思うからです。だからこそ、そうした楽しい思い出を大切にし続けるためにも、元気で幸せそうな顔をした愛猫と、今のうちに二人で写真を撮っておくことが大切なんだと思います。

独身だったころは、セルフタイマーで、数か月に一度、猫との記念撮影をしていました。結婚した今では、旦那に撮ってもらっています。両手に2人の猫をかかえた状態で。ちょっと迷惑そうな顔をした愛猫たちと、顔面どしゃ崩れになっている満足そうな私。旦那がコンデジで撮影するため、プロのカメラマンから見たら露出も構図も本当にめちゃめちゃですが、それでも私にとっては世界一大切な宝物です。


○たくさんの写真に触れると良い

このような背景があって、猫の写真を撮影するのが日々の楽しみとなっている私ですが、でも、やっぱり納得いかない写真だって当然出てきてしまいます。なんだか構図が整理されていなかったり、ホワイトバランスがおかしかったり、ピントの合わせ方がめちゃくちゃ下手だったり…。

もちろん、一眼レフの基礎を書籍や説明書で学び直すこともとっても重要です。(一番手っ取り早く上達する方法だと私は思っています)。でも、自分らしい、満足のいく写真を撮るには、大好きな猫ブログを見て、真似をしていくことが大切なのではないかと考えています。

○好きな猫ブログの写真を真似してみよう

本で読んだのですが、その昔、画家の卵は、ゴッホやレンブラントなど、巨匠たちの絵を模写したそうです。その時は、私はてっきり絵を上達させるために模写をしているんだと思っていましたが、その考えは間違っていて、実はこれ、「自分という画家のオリジナリティ」を発見するための作業なんだそうです。

画家の卵たちが絶望するのは、「完全に模写をすることに成功してしまった」時だそうです。
模写をしていると、どうしても、どーーしても真似をすることができない部分がでてきます。その、真似できない唯一の部分が、その画家のオリジナリティとなります。

ところが、完全に模写できてしまうと、それはつまり自分のオリジナリティが無いのと同義。画家としての道は断たれたも同然なのです。

私は、画家を目指したことはもちろんないので、その絶望たるや私の想像の範疇をはるかに超えています。でも、この「模写」という作業自体は、私のようなカメラ初心者にも多少は効果がある作業なのではないかと考えています。○大好きな猫ブログ

私は毎日、それこそ舐めるように大好きな猫ブログを見ています。といっても、写真の勉強のために見ている猫ブログはたった一つしかありません。ブログタイトルは、「えびneko日記」さんです。

ここのブログが好きすぎて、ぶっちゃけ家具の配置とかも覚えてしまったくらいです(キモチワルくてすみません)。どこかでインスピレーションをもらっていたのか、こちらのブログに登場する猫さんたちと、うちの猫たちの毛色もとても良く似ています(いや、別に似せようと思って似たわけではありませんが……)。

このブログ様の写真(構図や露出)を真似していると、どうしても真似できない部分が出てきます。最初は完全に真似できない自分の腕前がまだまだなんだと思っていましたが(いや、もちろんそれもあります)、どうやらそれは自分のオリジナリティとして受け止めることができるのかもと思い始めています。

○初心者ならではの勘違い

最初は、「プロのカメラマンさんと同じような写真が撮れなかったらダメなんだ」と思っていました。今思うと本当に初心者ならではの勘違いだったなぁと思います(いや、いまだに今も初心者ですが)。

写真に間違いなんてありません。「こうでなければ写真ではない」なんてありえません。価値を普遍的にしたらいけないと私は考えています。なぜなら、差異をなくすことは暴力的だと思うからです。

○成長って、つらいこと

昔、知り合いのカメラマンさんに、「プロとアマチュアの違いは?」と聞いたことがあります。すぐに答えが返ってきました。「まよい狂うのがプロだ」。そう言ってました。安直に正解を求めないのがプロだと。

別に私はプロカメラマンを目指しているわけではありません。ただただ、うちの猫の一瞬一瞬を写真という形で残しておきたいだけの、一眼レフを持ったただの猫バカです。

でも、そんな初心者な私にとっても、カメラマンさんのその言葉はすごく心に響きました。

確かに、自分の写真という未開拓の土地にこれから進撃していこうとしているのに、正解を求めていてはいけないんだろうなぁと、色々と考えるところがありました。抵抗とアンビバレンスの無い変化は幻想ですし、自分で写真を撮影していて、「こうじゃないんだ」と思い始めたら、進歩している証拠なのかなと思うようにしています。
○最近の自分の写真

……なんだか書いてたら長ったらしくなりました。ごめんなさい。

ということで、今日も一眼レフ初心者は、四苦八苦しながらも猫の写真を撮影しております。今日は朝少し早起きして500枚強撮影できました。

猫の写真を撮っていると、なんだか自分が絵本を書いているような気分になってきます。写真を撮ることで、大切な愛猫が縷々として生きる流動的な生に形を与え、その一日を作品として完成させる。そんなことをしているんじゃないだろうかと最近思い始めています。すごく面白くて楽しいです。

これからも、日々自分の写真を変化させながら猫撮影を楽しんでいこうと思いました。

○次回予告

次回のテーマは、「お気に入りのカメラグッズ」です。

<作者プロフィール<
うだま
猫好きの人妻アラサー。猫の漫画や日常の漫画をよく書く。
猫ブログ「ツンギレ猫の日常-Number40」は毎朝7時30分に更新している。
ツイッターでは常に猫への愛を叫び続けている。下ネタツイートは最近控えるようにしている。

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