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「利上げ」について押さえておきたいポイント

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「利上げ」について押さえておきたいポイント
昨今、米国景気の回復傾向を受け、市場では利上げが行なわれるとの見方が強まっています。近年の日本ではあまり話題にならない利上げですが、景気や株価にはどのような影響を与えるのでしょうか? 政策金利と利上げについて整理してみました。

○政策金利

政策金利とは、各国の中央銀行が金融政策によって上下させる金利のことです。10年物国債の利回りなど、世の中にはほかにも様々な「金利」がありますが、「中央銀行が金利を引き上げる」といった場合の「金利」は、一般に政策金利のことを指しています。

例えば、米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)では、短期金融市場(金融機関同士で短期資金を貸し借りする市場)の取引で用いられるFFレート(フェデラル・ファンド金利)を政策金利として採用しています。政策金利の引き上げ(引き下げ)を行ないたい場合、FRBはニューヨーク連銀を通して、民間の金融機関から(に)巨額の資金を吸収(供給)します。こうして短期金融市場での資金の需給を調節することで、目標とした水準にFFレートを誘導しています。

金融機関による企業への貸出金利や預金金利など、そのほかの金利も政策金利に連動して動く傾向があるため、中央銀行は政策金利を上下させることで、社会に流通するお金の量をある程度調節することができます。
そのため、政策金利の変更は金融政策のなかでも重要な位置を占めていると言えます。

ステップアップ
中央銀行による資金の供給や吸収は「公開市場操作」(オペレーション)と呼ばれ、国債などを民間の銀行から買い取ったり売却することで行なわれています。この買い取りは通称「買いオペ」、売却は「売りオペ」と呼ばれています。

○利上げ

中央銀行が政策金利を引き上げることを「利上げ」といいます。一般には、景気の回復局面や物価が上昇傾向にある時に、景気の過熱やインフレを防ぐ為に、社会に流通するお金の量を減らす「金融引締政策」として行なわれます。

利上げが行なわれると、金融機関が短期金融市場で資金を調達するために支払う金利が高くなります。金融機関は利ざや(貸し借りでの金利に差を付けることで得る収入)を確保するために、貸出金利を高くすることから、企業は借入をしづらくなります。こうして、企業による必要以上の資金調達や過度な設備投資などが抑えられ、景気の過熱を防ぐことにつながります。
同様に、住宅ローン金利なども高くなるため、個人による住宅購入なども抑制され、住宅価格の過熱を防ぐことも期待できます。

このように、景気や物価の上昇局面で、中央銀行は利上げを行ない、企業や個人による資金の借り入れを抑制することで、景気や物価の安定を目指しています。

一方で、株価にとっては利上げがマイナス要因となる場合があります。金利が上昇すると、借入コストの増加により企業の資金調達や設備投資が抑えられ、売上や利益の減少につながることがあるからです。また、金利が収益となる預金や債券の魅力が増し、株式の魅力が相対的に低下することも理由の一つです。

しかし、基本的には利上げによる株価の下落は短期的なものとなる傾向がみられます。なぜなら、一般に利上げは景気回復局面で行なわれるからです。さらに、適切な利上げが行なわれれば、景気の過熱やインフレを抑えることで経済の健全な成長を促し、中長期的な景気拡大と株価上昇につながると考えられます。


足元では、多くの経済指標から米国経済が着実に回復を続けているとみられる一方で、FRBは利上げに対して慎重な姿勢を崩していないことから、利上げは景気を考慮したペースで行なわれるとみられます。こうしたことから、米国の景気や株価は持続的な拡大が期待できるのではないでしょうか。

ステップアップ
一般には景気の回復局面で行なわれる利上げですが、景気が落ち込んでいるにも関わらず、原材料の高騰などによりインフレが起きている場合、インフレ抑制のために利上げが行なわれることもあります。その場合、更なる景気悪化につながることもあります。

(2014年10月1日 日興アセットマネジメント作成)

●日興アセットマネジメントが提供する、投資信託・投資・経済の専門用語をテーマで学べる「語句よみ」からの転載です。→「語句よみ」

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