1級FP163名がNISA口座を選ぶ際に重要だと考えたのは?
こうした状況を受け、このほど新生銀行が1級ファイナンシャル・プランナー(FP)を対象に、NISAに関する評価と今後の展望についての調査を実施。調査は、8月1~4日の期間、顧客を持ち、NISAの内容を認知している全国の1級FP163人を対象に行われた。
その結果、1級FPが受ける相談で最も多かったのが「税制度や節税対策」で74.8%。次いで「保険の加入・見直し」(52.8%)、「相続・贈与」(49.1%) 、「住宅ローンの借入れ・見直し」(46.6%)の順に続いた。こうしたなか、節税対策としてNISAに注目していると答えた1級FPは82.2%にのぼり、87.1%がNISAに関する顧客相談を実際に受けた経験があると答え、そのうち78.5%が顧客にNISAを勧めた経験があると回答した。
一方、NISAによる資産運用に向いていると思う商品を訊ねる質問では、「投資信託」が78.5%で最多。次いで「国内株式」が61.3%、「海外株式」が42.3%となった。また、実際に顧客がNISAで運用する際に選ぶ人気金融商品でも「投資信託」が58.9%で最も多かった。
さらに、NISAにおける投資スタンスについて、49.7%の1級FPが「リターンは大きくなくてもリスクの小さい商品を選ぶ」を推奨。その一方で、「リスクも高いが大きなリターンを得られる商品」(39.9%)、「非課税期間の5年を過ぎても長期保有する」(36.2%)、「値上がり益を重視した商品を選ぶ」(33.7%)、「配当を重視した商品を選ぶ」(31.3%)などの回答もそれぞれ3割以上と高く、顧客のニーズや投資スタンスに応じて幅広いNISAの活用を推奨している。
また、今後のNISAによる資産運用をより活発化させるために改善すべきこととしては、「非課税投資額の上限を100万円より上げる」(62.0%)が最も多く、以下「10年間の時限を延長する・撤廃する」(56.4%)、「NISA口座と特定口座の損益通算ができるようになる」(51.5%)、「5年間の非課税期間を延長する」(50.3%)などが続いた。NISA口座を開設する金融機関選びで重視すべき点では、「取り扱い商品が充実していること」(90.2%)、「投資商品の手数料等のコストが安いこと」(89.6%)、「口座開設の手続が簡単であること」(87.7%)などが上位に挙げられた。さらに、顧客にNISA口座開設を勧めたい付加サービスとして、「NISA口座で投資する商品の申込手数料がすべて無料となる」(95.1%)が最多で、以下「銀行のATM手数料無料」(88.3%)、「他金融機関への振込手数料無料」(87.7%)の順に多く、「手数料無料」がNISA口座選びでは重要であることが分かった。
そのほか、1級FPとして金融機関評価をしてもらったところ、「投資に強い」と思う銀行では「新生銀行」(25.8%)がトップで、2位「三菱東京UFJ銀行」(19.6%)、3位「三井住友銀行」(16.6%)の順。証券会社では1位「野村証券」(52.8%)、2位「大和証券」(28.8%)、3位「SMBC日興証券」(19.0%)の順となった。
「手数料が安い・無料」と思う銀行としては、1位「住信SBIネット銀行」(20.2%)、2位「新生銀行」(17.8%)、3位「楽天銀行」(17.2%)、証券会社では1位「SBI証券」「楽天証券」(同率25.2%)、3位「カブドットコム証券」(22.7%)となった。
なお、同調査を実施した新生銀行では、所定の投資信託の購入の際、申込手数料が無料となる「NISAプラス」(※)を提供しており、同プランの説明を受けた85.3%の1級FPが「よいサービスだと思う」と回答したとしている。
※運用期間中や換金時には商品ごとに所定の手数料がかかる。また投資信託には元本割れのリスクがある点に注意が必要。