一眼レフ初心者が猫撮影に挑む! (7) 動きまわる猫にどうやってピントを合わせるか
猫を撮影している時、当然ながら彼らは自由に動き回ります。もちろん寝ている時をねらって寝顔を撮影してもいいのですが……あのクリクリの可愛いお目目や、猫じゃらしで遊んでいる様子なども是非撮りたい!
しかし、一眼レフを手に入れた当初、私は悩んでいました。ピントが合わないんですよ……!!!撮影した写真を確認してみると、フローリングや背景にピントが合ってしまい……とっても困っていました。ということで今回は、ピントの合わせ方を徹底的にご紹介します。
○ファインダー内のフォーカスポイントでピントを合わせる
まず、猫が動いていても動いてなくても、重要なのは、当然のことながらファインダー内の「フォーカスポイント」で、猫にピントを合わせる必要があります。
フォーカスポイントは、測距点(そっきょてん)とも言います。AF(オートフォーカス)で、ピントを合わせるための目印のことです(ファインダーを覗くと、黒や赤の小さな四角があるかと思いますが、それのことですね)。
○測距点の数が多ければ多いほど、ピントを合わせやすい
ちなみに、測距点の数が多ければ多いほど、ピントを合わせやすくなり、動く被写体を撮影する際はとても便利です。エントリーモデルでも最近では測距点の数が10点前後あります。上級機になると、50点以上あるものも(すごく欲しい……けどお金がない)。
○被写体の周りにゴチャゴチャと物があるとピントが合わないことが……
そもそも、そもそもですね。一眼レフ初心者だった私が猫を撮影すると……猫がお休み中で完全に静止しているのにもかかわらず、ピントが合わないことが多々ありました。
理由は単純で、いくつもの被写体が重なっていて測距点の数が多くなってしまっていたんですね。私の場合だと、家具の後ろに猫が隠れていたり、猫の周りにゴチャゴチャと物がたくさんあったり……。そういう時って、カメラが被写体の状況を確認し、自動で測距点を選択するので、「これじゃない!」というものにピントが合ってしまいます。
○対策は2つ
こうした場合の主な対策は2つです。
・フォーカスロックを使う
・マニュアルフォーカス(MF)を使う
○フォーカスロックが手っ取り早い
フォーカスロックが一番一般的な方法かと思われます。眠っている猫をファインダー内のど真ん中に配置した状態で、シャッターボタンを半押しにし、ピントを合わせます。その状態のまま、カメラを左右上下に動かし(前後に動かすとピントがずれます)、構図を決めたらシャッターボタンを押す、という手法です。
○マニュアルフォーカスも便利
次に使う手段は、マニュアルフォーカス。明暗差があまりない被写体、背景に同化している被写体を撮影する際や、あまりにも柄や被写体が多すぎる場合に使うと便利です。AFが、「で、どれが主役なの?」と迷ってしまい、あらぬ所にピントが合ったりします。私の場合は、実家にいる白い猫を撮影する際に使います。
背景の壁が白で、被写体本人も白。全くピントが合いません(笑)。また、猫の鼻や耳や目をマクロ撮影をする際も、マニュアルフォーカスは必須ですね。とってもきれいにピントが合います。
○マニュアルフォーカスでの撮影
MF撮影をする際は、たいていレンズ側とボディ側の両方で、マニュアルフォーカスに設定する必要があります。私が使用しているNikonD7000の場合も、(1)ボディ側のフォーカスモードセレクトダイヤルを「M」に合わせ、(2)レンズ側のフォーカスモードも「M」にする必要があります(レンズによっては非搭載であることも)。
マニュアルフォーカスの設定が終わったら、その後はいつも通りファインダーをのぞき、レンズのフォーカスリングをぐるぐると回し、ピントがしっかりと合う位置を探して撮影します。
○AFモードを理解しよう
前置きが長くなりました。
すみません。静止している猫を、ピントが合った状態でうまく撮れるようになったら、いよいよ本番。動き回る猫に、ピントを合わせて撮影します。そのためには、AFモードを理解する必要がありました。
○AFモードの種類は主に3つ
一般的に、AFモードには3つあります。メーカーにより呼び方が異なりますが、ニコンの場合は下記の3つがあります。
・シングルAF(=AF-S)
→静止物の撮影に向いているモード。シャッターボタンを半押しすると、フォーカスロックの状態になり、基本的にはピントが合った状態でないとシャッターを切ることができない。
デフォルトではこのモードになっていることが多い。(キヤノンではワンショットAFと呼ばれる)
・コンティニュアスAF(=AF-C)
→動体の撮影に向いているモード。シャッターボタンを半押ししてもフォーカスロックにはならない。被写体の動きを予測して、それに合わせてピントを合わせ続けるモード。測距点が被写体を捉えている間はピントを追い続けてくれるため、スポーツ撮影などに向いている。(キヤノンでは、AIサーボAFと呼ばれる)
・AFサーボモード自動切り替え(=AF-A)
→被写体が静止しているとAF-Sの状態、被写体が動き始めると自動でAF-Cに切り替えてくれるモード。(キヤノンでは、AIフォーカスAFと呼ばれる)
○子供やペットの撮影に向いているとされるAF-A
基本的に、子供やペットの撮影に向いているとされるAF-Aに私は設定しています。猫って、静止していた状態からいきなり動き始めたりするので(笑)。
このモードなら、「せっかくピントが合ってたのに!いきなり猫が動いちゃったー!」となることがありません。とっても便利です。
なお、AFモードの設定は、ニコンの場合ボディについているAFモードボタンを押し、メインコマンドダイヤルを回して設定します。(最初このAFモードボタンがどこにあるのかすらわからなくて、大変でした(笑)。
○視度調節も大切
また、何度試してみても、実際の写真を見てみると全然ピントが合っていない……という場合は、視度調節ダイヤルを使ってみましょう。視度調節ダイヤルは、ファインダーの近くにあるかと思います。ファインダーを覗いた状態で、視度調節ダイヤルを動かして、一番はっきりと見える状態を探してみましょう。ダイヤルを「マイナス」の方向に動かすと度数アップ、「プラス」の方向に動かすと度数がダウンします。
○今日のまとめ
(1)フォーカスロックやマニュアルフォーカスを使って、しっかりとピントを合わせる
(2)AF-Aモードに設定すると、猫が動き出してもピントが合う
(3)視度調節して、クリアに見える度数を設定しよう
○次回予告
次回のテーマは、「ふんわりときれいに背景をボカしたい!」です。
<作者プロフィール>
うだま
猫好きの人妻アラサー。猫の漫画や日常の漫画をよく書く。
猫ブログ「ツンギレ猫の日常-Number40」は毎朝7時30分に更新している。ツイッターでは常に猫への愛を叫び続けている。下ネタツイートは最近控えるようにしている。