2014年10月15日 08:00
対談! 日本のものづくり - プロトラブズが国内有識者と探る (16) ソニー Smart Tennis Sensor企画開発担当者 中西吉洋氏(前編)
ソニーが2014年の5月に発売した「Smart Tennis Sensor」は、テニスラケットのグリップエンドに取り付けて、スイング速度やボールの回転量といったショットの情報を収集し、スマートフォン上で瞬時に可視化することができる。この全く新しい分野の製品は、どのような道のりを経て誕生したのだろうか? 企画開発を担当したソニーの中西吉洋氏と、プロトラブズ社長トーマス・パン氏との対談を、前後編でお届けする。
○すべてはソニーの「オープンハウス」から
トーマス・パン氏(以下パン氏):この「Smart Tennis Sensor」は、どのようにしてコンセプトが生まれ、形になったのでしょうか?
中西吉洋氏(以下中西氏):最初のきっかけは、オープンハウスでした。ソニーには年に一回、エンジニアやデザイナー、プランナーが1,000人以上集まって、お互いにプロトタイプを見せ合う機会があるのです。
パン氏:言わば、開発途上のプロトタイプの社内展示会ですね。しかし、1,000人以上とは、ずいぶん大規模なオープンハウスですね。
中西氏:ええ。およそ3年前、私はプロトタイプをビジネスにするという立場で、そのオープンハウスを見に行きました。