ねじれは解消されるのか、米国中間選挙
○米国中間選挙
米国では、4年ごとに行なわれる大統領選挙の中間の年に、連邦議会議員を選ぶ中間選挙が行なわれます。中間選挙の選挙日は、大統領選挙日と同様に、米国連邦法で定められており、「11月の第1月曜日の翌日」となっています。
米国の連邦議会は、上院と下院で構成される二院制を採用しています。上院は、各州平等に2名ずつ選出されることから、「州の代表」と言われています。下院は、各州の人口に比例して議席が配分されているため、「国民の代表」と言われています。
中間選挙では、上院の約3分の1と、下院の全議席が改選されます。
中間選挙は、大統領の任期半ば頃に行なわれるため、現政権への信任投票という性質を持っており、結果次第で大統領が政策の方向性を修正するなど、影響力は大きいとされます。また、中間選挙で決まった連邦議会の議席状況が、2年後の大統領選挙の土台となることから、中間選挙の結果に注目が集まります。
現在、米国の連邦議会では、民主党と共和党の2大政党が議席の大部分を占めています。
民主党は、個人の自由を重視することを基本理念としています。経済政策に関しては、一定の政府の介入や規制によって国内産業を保護するなど、保護貿易主義的な政策をとっています。
共和党は、社会の規律を重視することを基本理念としています。経済政策に関しては、市場原理を重視し、規制緩和や減税を行なうことで、政府の介入を縮小すべきとの立場をとり、自由貿易主義的な政策をとっています。
民主党と共和党のどちらが、上院と下院それぞれの過半数を占めることになるのか、中間選挙の結果が注目されます。
ステップアップ
中間選挙の時期は、連邦議員選挙と同時に、多くの州で知事選や首長選、各種政策の是非を問う住民投票が行なわれます。
○ねじれ議会
アメリカのねじれ議会とは、上院・下院の2つの議会において過半数を占める政党が一致していない状態のことを言います。現在、上院は民主党、下院は共和党が過半数を占めるねじれ議会の状態です。ねじれ議会では、法案の成立が難航することが問題となります。米国では、上院・下院は対等の権限を有しており、法案可決のためには、両院での可決が必要となります。両院の意見に違いがあれば、法案可決は困難になり、「決められない政治」に陥ることが懸念されます。実際に、2013年には、暫定予算案の可決が難航し、連邦政府機関が一部閉鎖に追い込まれ、株価が下落するなど、政治の停滞が経済活動へ悪影響を与える事態となりました。
11月に控える中間選挙では、ねじれ議会が解消できるのか、また解消した場合、どちらの政党が上院下院ともに過半数を占めるのかに注目が集まっています。共和党によるねじれ議会の解消の場合は、「大統領と議会のねじれ」の問題が残り、オバマ大統領(民主党)と議会の歩み寄りが必要とされます。民主党によるねじれ議会の解消の場合は、大統領と議会の一体感から法案の可決は円滑になり、「決められない政治」が解消されることは、市場で好感されるとみられます。
ステップアップ
中間選挙から大統領選挙にかけては、各議員が選挙対策として大衆にアピールする政策を打ち出すことにより、景気が刺激されることが多く、株価が上昇しやすいとされています。
(2014年10月15日 日興アセットマネジメント作成)
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