2014年10月16日 08:30
国立がん研、肥満は閉経前・後ともに乳がんリスクが高まる可能性を示唆
国立がん研究センターはこのほど、BMIが大きい傾向にある日本人女性は乳がんに罹患(りかん)するリスクが高まる可能性があることを明らかにした。日本人を対象とした長期的な観察・研究と複数の研究を集めた統合解析によって、確認した。
同研究センターは、日本の8つのコホート研究(※1)で得られた18万人以上のデータをあわせたプール解析(※2)によって、肥満指数(BMI)と乳がんとの関連を閉経状況別に推定した。
肥満指数(BMI)は体重(kg)を身長(m)の二乗で割って算出するもので、肥満・やせの指標として広く使われている(BMIが大きいほど、肥満度も高い)。今回の調査では、「BMI23以上25未満」を基準とした。
コホート研究で約12年(平均)の追跡期間中に乳がんになった1,783人を、閉経前・後のどちらで乳がんに罹患(りかん)したかで分類。BMIと乳がんリスクを調べた結果、閉経前後ともにBMIが大きくなると乳がんリスクが高くなることがわかった。特に閉経後乳がんでは、BMIが1上がるごとに罹患(りかん)リスクが5%上昇する直線的な関連性がみられたという。
同研究の結果より、乳がん予防の観点からはやせているほうがリスクが低いことが示された。