週末は山梨県へ - サントリーのワイナリーで「日本ワイン」を知る
JR甲府駅からタクシーに乗りこんだ。いかにも地方都市の郊外らしいファミリーレストランや大きな駐車場のついたコンビニエンスストアなどが点在するバイパスを通りながら、車は快適なスピードで北西に進む。しかしここは日本屈指の山々を有する山梨。地方都市の郊外的な風景はいつまでも続くわけもなく、突如として目の前に山道の入り口が現れた。道なりに上っていくと醸造所らしき建物が見えてきたが、ここが終点ではなかった。ここから先が長い。ハンドルを右に左に回しながらクネクネと上っていき、タクシーの運転手さんが「名物」と教えてくれたスイッチバックを経て、標高600mの丘にたどり着いた。醸造所から200mも上ってきたことになる。
○100年以上の歴史を持つ「登美の丘ワイナリー」
サントリー登美の丘ワイナリーの歴史は1909年(明治42年)までさかのぼる。時の鉄道参議官、小山新助が「登美農園」を開園。名前は当時の地名「登美村」に由来する。1936年(昭和11年)にサントリーの前身である寿屋が経営を継承し、「寿屋山梨農場」とした。同時に長野県にも「塩尻ワイナリー」を開設(1934年に新潟の「岩の原葡萄園」に資本参加していることからも、寿屋がワイン造りに力を注いでいたことがわかる)。