新型iPadの使用感はどう? - 「iPad Air 2」、「iPad mini 3」実機体験レポート
米Appleは16日(現地時間)、スペシャルイベントを開催し、iPadの新モデル「iPad Air 2」「iPad mini 3」を発表した。国内でも17日に報道関係者向けイベントが行われ、これらの製品が関係者に公開された。
「iPad Air 2」、「iPad mini 3」は、ともにゴールド/シルバー/スペースグレイの3種類のカラー展開。容量もそれぞれ16GB/64GB/128GBと、「iPhone 6」、「iPhone 6 Plus」のラインナップと同じ布陣を敷く形となった。いずれも「iPhone 6」、「iPhone 6 Plus」と同じマット仕上げで、鏡面加工されたアップルロゴが施されている。ただし、「iPad Air 2」、「iPad mini 3」は上下のラウンド部分を囲うDラインがない。また、「iPad Air 2」、「iPad mini 3」には表面側に鏡面加工された細いエッジが入っているなど、細かい部分でデザインがことなっている。
●「iPad Air 2」は薄いだけじゃない! あらゆる面が進化していた
○薄さだけでなく、全体のバランスで明らかに進化した「iPad Air 2」
会場で注目されたのは、初代iPad Airよりもさらに薄型化された「iPad Air 2」だ。
数字でいうと、厚さ約6.1mm。先日発売されたばかりの「iPhone 6 Plus」が7.1mm、「iPhone 6」が6.9mmだから、それよりもさらに薄型化されている。スペシャルイベントに登壇した、米Apple上級副社長Phil Schiller氏は「世界で最も薄い」「2枚重ねても初代iPadより薄い」とその薄さをアピールしていた。
重量は、「iPad Air」が469gだったのに対して、「iPad Air 2」は437g(Wi-Fiモデルの場合)。明らかに軽さを体感するほどの違いはないが、薄さはかなり印象が違う。特に本体の中央付近を持った時、薄さと軽さにバランスの良さを感じる。
そうした薄さを実現するべくディスプレイには、新たに「フルラミネーションディスプレイ」が採用された。従来、カバーガラス・タッチセンサー・LCDという三層構造になっていたが、「フルラミネーションディスプレイ」は、各層の間のギャップをなくす構造になっている。
これにより、ギャップの間で生じていた内部反射がなくなった。
そのうえ、「反射防止コーティング」も施されたことで、画面がよりクリアで見やすくなっている。“反射防止”と言っても、マットな仕上がりの反射防止シートなどのように、画面が白っぽく見えるようなものではなく、一見すると従来のガラスと変わらない。また、同じRetinaディスプレイのiPad miniよりも表示が表面に密着して見えるような印象があり、スタイラスを使用した際のギャップ感が少なくなりそうだ。
●今回の発表でより統一感のあるラインナップが完成
○使えば使うほど進化を体感できそうな「iPad Air 2」
「iPad Air 2」のスペック的な使用感は、短時間のハンズオンだったこともあり詳細まではわからなかった。ただ「iPad Air 2」を触っていて感じたのは、ブラウザや写真などの画面切り替えの早さだ。日頃使用している「iPad mini Retinaディスプレイ(現在はiPad mini 2)」との差を感じられた。これは、「iPad Air 2」に搭載されている最新のチップ「A8X」によるものだろう。
ゲームやペイント系など、シビアな描画追従が求められるアプリであれば、そうした処理速度は、より顕著になるはずだ。
今後のプロモーション展開でも薄さのアピールが目立つことになると思われるが、それだけでなくディスプレイや描画性能、8メガピクセルカメラ、802.11ac対応など、様々な部分が強化されたことによるバランスよい進化が、今回の「iPad Air 2」の最大のポイントだ。使い込む人ほどその進化を体感することになるのだろう。
○iPhone、iPad Air 2との対比で選びやすいmini
「iPad mini 3」が、「iPad mini 2」から変更された点は、Touch IDが搭載されたことと、カラーバリエーション・容量のラインナップのみ。チップもカメラも「iPad mini 2」と違いはない。1年近くiPad mini 2を使用している筆者の目からしても、このスペックは十分に現役であり十分に満足している。そこに、Touch IDが搭載されれば十二分といえるだろう。
今回の発表で、カラーバリエーションと容量が、「iPhone 6」、「iPhone 6 Plus」と「iPad Air 2」、「iPad mini 3」で揃ったことになる。
ユーザーは“目的に合った大きさ”というポイントに絞ってデバイスを選ぶことが可能になった。スペックの違いは多少あるものの、使い勝手の違いに大きく影響するような差はほぼなくなり、同じカラー、同じ容量でサイズ違いの端末が整然と並んでいる。端末で統一感あるラインナップが構成されたことで、アップルのスマートフォンとタブレットのブランド力がより人に伝わりやすいものになったと言えるだろう。