2014年10月22日 09:53
日立、UPSなどの小型化・保守の簡易化が図れる電力変換ユニットを開発
日立製作所は10月21日、冷却性能に優れた両面冷却パワーモジュールを用い、さまざまな電力変換器に適用可能なモジュラー型電力変換ユニットを開発したと発表した。
従来の片面冷却パワーモジュールでは、下面のベースプレートのみから放熱するのに対し、両面冷却パワーモジュールでは両側面から放熱するため、従来とは異なる冷却システムを新たに開発する必要があった。開発したモジュラー型電力変換ユニットでは、両面冷却パワーモジュールの両放熱面に、熱伝達性に優れたヒートパイプを配置する独自の空冷システムを採用した。ヒートパイプの実装位置や空冷フィンの形状、厚さを熱解析により最適化することで、冷却効率を従来比で20%高め、さらに空冷フィンの体積を従来に比べ50%削減したという。
また、電力変換ユニットの小型化と保守を簡易にするため、ユニット自体の幅を縮小するとともに、ユニット自体をスライドさせて、電力変換器の前面から抜き差しすることが可能な薄型ユニットが必要だった。そのため、複数の両面冷却パワーモジュールとコンデンサを直線上に配置したが、その配置により、熱に弱いコンデンサがパワーモジュールからの熱の影響を受けること、またコンデンサから距離の近いパワーモジュールに電流が偏って流れやすくなることが課題だった。