2014年10月29日 17:25
イネの品種差を作り出す遺伝子多型をゲノム解析で検出 - 理研と生物研
理化学研究所(理研)と農業生物資源研究所(生物研)は、日本で栽培されているイネ175品種の二次代謝産物に注目したメタボローム(代謝物の総体)のゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、89種類の二次代謝産物の含有量の品種間差に関係する143箇所の遺伝子多型を検出することに成功したと発表した。
同成果は理研環境資源科学研究センター統合メタボロミクス研究グループの斉藤和季 グループディレクター、松田史生 客員研究員(現 大阪大学大学院情報科学研究科 准教授)と、生物研農業生物先端ゲノム研究センターの矢野昌裕 センター長(現 農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所 所長)らによるもの。9月29日付け(現地時間)の「The Plant Journal」オンライン版に掲載された。
イネには多くの品種が存在し、それぞれを比較すると、風味や耐病性の違いに関係する二次代謝産物の含有量に違いが見られ、その違いはゲノム中の遺伝子多型に由来すると考えられている。しかし、二次代謝産物の組成が品種間でどのくらい異なるのか、またその原因となる遺伝子多型との関連性などについてはわかっていなかった。
同研究グループは、日本で栽培されているイネ175品種の葉からメタボロームデータを測定して、342種類の代謝物(一次代謝産物と二次代謝産物)