7カ月ぶりに利上げを決定したブラジル中央銀行
中央銀行は声明で、数ある要因の中でも特に、前回(9月初め)の金融政策委員会以降のブラジル・レアル安に伴ない、インフレ・リスクが高まったことを踏まえて、今回、政策金利を引き上げたとしています。同国では、消費者物価指数の伸びが目標圏の上限近くで高止まりしているほか、燃料や電力などの統制価格が来年にも引き上げられる可能性があることなどから、利上げは不可欠と考えられていました。ただし、この10月には大統領選挙があり、当選者の就任が来年1月となることなどから、利上げ実施のタイミングは政権の顔ぶれや政策などが明らかになる2015年に入ってからとの見方が有力でした。
このように、今回は予想外のタイミングでの利上げとなりましたが、中央銀行は、小幅な利上げを早目に実施することで、景気等への負担を抑えながら、インフレ抑制を狙っているとみられます。また、通貨下落やインフレに立ち向かう姿勢をこのタイミングで示すことにより、市場からの信頼の回復を狙った面もあると考えられます。
次回の金融政策委員会は12月3日開催で、年内最後の会合です。
今回の決定が全会一致によるものでない(賛成5名、反対3名)ことや、議事録の公表前であることなどから、中央銀行が利上げサイクルの再開を既に決めたのかどうかなど、金融政策の先行きが明確になった訳ではありません。ただし、市場では今後、利上げへの関心が高まるとみられ、ブラジル・レアルのサポート要因になると考えられます。
(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)
(2014年10月30日 日興アセットマネジメント作成)
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