くらし情報『読む鉄道、観る鉄道 (63) 『月館の殺人』 - 厳寒の北海道を行く豪華列車で事件発生!』

2014年11月3日 08:00

読む鉄道、観る鉄道 (63) 『月館の殺人』 - 厳寒の北海道を行く豪華列車で事件発生!

読む鉄道、観る鉄道 (63) 『月館の殺人』 - 厳寒の北海道を行く豪華列車で事件発生!
『月館の殺人』は、コミック雑誌「月刊IKKI」(小学館)で2005年から2006年にかけて連載され、後に上下巻で出版された。作者は名作コミック『動物のお医者さん』『チャンネルはそのまま』の漫画家、佐々木倫子氏と、『●●館の殺人』シリーズを手がけるミステリー小説第一人者、綾辻行人氏のコンビだ。

綾辻氏の本格ミステリーと、佐々木氏のコミカルな持ち味が融合し、鉄道ファンを自認する「月刊IKKI」編集長の監修でしっかりと考証されている。ミステリーファンにも鉄道ファンにも楽しめる作品だ。

○密室の列車で殺人事件発生、犯人は車内に!?

厳寒の北海道に存在する豪華列車「幻野」に、女子高生の空海(そらみ)と6人のテツ(鉄道オタク)が乗車した。沖縄で暮らす空海は母を亡くしたばかり。鉄道には縁がなく、初めての列車旅だ。この旅は母と断絶していた祖父に招待された。
直接会って、遺産相続の話をしたいという。

空海が祖父に招待されたと知ると、テツたちは色めき立つ。理由は女子高生と同じ列車で旅をする喜び……だけではなかった。彼らにとって、空海の祖父は重要な人物であるらしい。空海はテツたちの挙動に困惑しつつ、遺産相続の条件が、この候補者たちからの婿選びかもしれないと不安になる。

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