2014年11月8日 08:00
長友佑都の"代役"に収まらない希少価値の左サイドバック・太田宏介の矜持
日本代表の歴史上で希少価値の選手が務めるポジションがある。それは「左利きの左サイドバック」だ。不動のレギュラー長友佑都(インテル)も実は右利き。その招集が見送られたアギーレジャパンで、レフティー・太田宏介(FC東京)の存在感が一気に増してきた。
○長友になくて太田にあるもの
長友にあって自分にないものをあげれば、それこそ枚挙にいとまがない。
日本代表での実績。外国人選手と対峙(たいじ)してきた数。ワールドカップという舞台での経験値。
1対1における強さ。そして、左タッチライン際で上下動を繰り返す運動量と、それを支える無尽蔵のスタミナ。現時点では大差をつけられていると、太田は素直に認める。
ならば、自分にあって長友にないものはあるのだろうか。ともに左サイドバックを主戦場とする1歳年下の太田には、胸を張って口にできるストロングポイントがひとつある。
「キックのバリエーションの多さもそうですけれども、左足から上げるクロスの質に関しては自分の中でもかなりの自信を持っています」。
1993年10月の「ドーハの悲劇」を経験した都並敏史。日本が初めてワールドカップの舞台に立ったときの相馬直樹。